武士の王・平清盛 (歴史新書y)
武士の王・平清盛 (歴史新書y) / 感想・レビュー
maito/まいと
著者見て「ん?」と思った一冊。史料を大事にしつつ、着想力を駆使して独自目線で作品を連発する伊東さん、小説ではなく新書で平清盛を斬る(笑)とまではいかないものの、伊東さんらしく、清盛以前をきっちり解説しつつ、清盛の人物像や特異性を説明する論調は、小説家と説明しなければ教授でも通じるほどの堂々っぷり(爆)その一方で「陰謀史観」に微かな抵抗を見せつつもそれを抑えられない書きっぷりは、伊東作品を読んできた方にはおなじみのホンネ(苦笑)そういえば、このお方が書いた源平時代読んだことないなあ。
2015/05/13
珈琲好き
藤原頼長、信西、清盛はそれぞれ王朝国家をリフォームして維持しようとした印象。権力者にとっては私利=公益だし、私利を追求してても王朝国家の枠組みを守ろうという一貫性を感じる。ローマ史で言えば清盛はスッラだね。
2015/08/20
Ryuji
★★★★☆伊東潤さんと平安時代というのがちょっとピンと来なかったが、なかなか面白い本であった。この手の本を専門の歴史学者ではなく、小説家が書くとやはり読み易くなるし、面白くなる。平清盛というよりは、清盛を中心にして清盛没までのこの時代を解説した感じも受けるが、伊東潤さんの推測(※推測の部分はキチンと「推測」ですと断りを書いています)を含めた見方がとても良かった。また、それほど清盛贔屓で書いてる訳でも無くとても冷静に見ている感じも受けた。戦国武将の中では明智光秀とタイプが似ているという考えが興味深い。
2015/12/04
かみかみ
院政華やかなりし頃、院近臣や摂関家の抗争の際に上手く立ち回って「日本史上初の武家政権」を築き上げた男の評伝。「そもそもなぜ院政が必要になったのか」など、小説家の著者が当時の時代背景を巧みに過不足なく解説してくれるので、内容が頭に入りやすい。日宋貿易を平家一門で一手に担ったのは磐石な権力基盤だったと思う。冷静沈着かつ合理的だが、生真面目すぎて思い詰めると思いも寄らぬ行動を取る、という清盛の性格を明智光秀に例えたのは興味深い。
2019/11/12
ken ken
院近臣や摂関家との権力闘争を勝ち抜いていく清盛のはなし。彼の人生を俯瞰すると”諸行無常”という言葉がしっくりする、という筆者の言葉が印象に残りました。平安末期の本はとても好きです。
2013/09/10
感想・レビューをもっと見る