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永遠の吉本隆明【増補版】 (新書y)

永遠の吉本隆明【増補版】 (新書y)

永遠の吉本隆明【増補版】 (新書y)

作家
橋爪大三郎
出版社
洋泉社
発売日
2012-05-10
ISBN
9784862489531
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永遠の吉本隆明【増補版】 (新書y) / 感想・レビュー

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ころこ

同時代に受け入れられた存在は、それに乗れない後続の世代からは必要以上に反発を受けて受容されます。吉本隆明ほど、かつての熱狂を冷ややかに受け止められている思想家もいません。著者は、吉本の一連の仕事を団塊世代のルサンチマンを解消する解釈ではなく、我々が今日に評価できる読み方を提示します。吉本とは、文学者で科学者である。文系と理系の素養を平等に持つだけではなく、人文科学にある客観性と文学の内面を持ち、状況を超越した稀有な存在である。手掛かりに十分すぎる内容です。平易な言葉で断言する著者の持ち味は、今回も発揮され

2019/04/12

amanon

吉本に深く心酔していながらも、決して批判的精神を疎かにしないという著者のスタンスに好感が持てた。後、印象的だったのは一般的には評価が低いと思われる後期の『ハイ・イメージ論』を評価しているところ。それに何かと物議を醸し出したと思われる『「反核」異論』への評価も今になってから初めて理解できる気がした。オウムの麻原への評価にしろ、一貫して時勢に対峙しつつ安易に流されない吉本のスタンスの強靭さを思い知らされた次第。ただ、個人的には社会学者という著者の立場ゆえ文学論への突っ込んだ言及が少ないのが残念だった。

2016/03/30

スズツキ

今の時代観にマッチしていて実に良い。とにかく連帯を大事にする昨今で筋の通った孤高の思想家、吉本隆明をうまく解剖できている。

2016/06/04

オールド・ボリシェビク

2020年の12月にも通読している。橋爪さんの世界認識には、私は全面的に共鳴しているのだ。例えばこんな文学観。「自分の世界というものがあり、それは1回的、個別的なもので、他の何ごとにも還元できない。そういう個別的な世界があって、一人ひとりの人間が自分の個別性といかに向き合って、それを受け入れて、それと格闘して、他の個別性に向けていかに表現していくか。そこに文学の核心がある。私一人のことでしかないことがらを、絶望的なかたちで他者に投げかけいてく。そういうこととして、文学の核心をつかんでいる」

2022/09/13

yoyogi kazuo

小室直樹の弟子筋にあたる社会学者による吉本隆明の解説本。東工大の教授としてビデオ講座も企画している。著者自身の学者としての問題意識と吉本の思想を照らし合わせながら論じている。

2022/03/27

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