経験の裂け目
経験の裂け目 / 感想・レビュー
Bevel
現象学を中心とした20世紀フランス思想史をよく知る著者が、レヴィナスを批判するもの。メルロ=ポンティが身体として示した間主観的な知覚の場をフッサールの「超越論的経験」と見なし、それを作用志向性の手前の過去としての「遭遇」の次元、「強度ゼロ」の差異化のプロセスの場とする。このときこの場をまったき他者の場ではなく、キアスムの肉と見なすことで、応答可能性を強調し、フロイトないし神経科学との協調点を探すという感じ。古典に過剰に言及する文体に共感はないが、2002年当時の文脈でやりたかったことはまあわかるという感じ
2024/07/19
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