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土の褥に眠る者 (ヴェヌスの秘録 3)

土の褥に眠る者 (ヴェヌスの秘録 3)

土の褥に眠る者 (ヴェヌスの秘録 3)

作家
タニス・リー
Tanith Lee
柿沼瑛子
出版社
産業編集センター
発売日
2007-06-01
ISBN
9784863110007
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土の褥に眠る者 (ヴェヌスの秘録 3) / 感想・レビュー

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ぬのさと@灯れ松明の火

ロミオとジュリエットがモチーフ。魂と人格が分離するというのがわかりにくかったかな。だけど、チョイ役で登場するケーザレ・ボルジャ(チェーザレ・ボルジア)が、カッコいい!

2013/03/14

NAGIA

ロミオとジュリエットをタニス・リーが料理するとこうなるのか……。白雪姫は面白かったけど。ちょっと霊魂に関する設定がややこしい。でも、悲劇の中に希望が持てるような、じんわりしたラストがよかった。

2013/09/05

madhatter

前作がリーによるルネサンス精神とするなら、本作はリーによるルネサンス文化(と、その精神の野蛮な面)を描いている。さて、全てのおおもとになるメラルダとロレンツォが愚か過ぎる(周囲が残酷過ぎるとも言うが…ボッカチオ「メボウキの鉢」辺りを意識したのか?)ため、初めの内は物語に入り込めなかった。但し、その後の展開はリーらしく、緻密に構成されている。また、生死を超越した男女の愛が美しいのは勿論だが、それ以外の関係や愛を否定することなく、次第に全てが優しさと尊敬に収束してゆくのが良かった。

2011/07/18

blacktea

重層的で不思議な物語だった。実在人物の登場、ベアトリーチェを思わせるヒロインの名前、彼岸の世界をめぐるところなど、ロミオとジュリエットの他にダンテの「神曲」の影も感じた。ケーザレが父とともに熱病に倒れたというのが、現実の歴史でチェーザレが失脚したときのことであるならば、そこから復活したケーザレは「幽霊の日」を生きるチェーザレであり、ヴェネツィアならぬヴェヌスもまた一種の幽霊なのだろう。ふと「有為の奥山今日越えて、浅き夢見し酔ひもせず」とでも口ずさみたくなるような、奇妙に肌なじみのよい、幽玄の世界観。

2014/10/05

まぬけのまりこ

入り組んだ魂の変遷の物語。行きつく先が気になり一気に読み上げた。話自体には文句ないのだけれど、賢く我の強いベアトリクサが好みなので、悲願達成の道具扱いには少々気持ちが収まらない。

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