災害支援手帖
災害支援手帖 / 感想・レビュー
Hideto-S@仮想書店 月舟書房
熊本地震に伴いウェブで全頁を公開中。被災地支援のための情報や心得がわかりやすくまとめられている。お金とモノ、そして行動と支援の形にはいくつかある。『義援金』と『支援金』の違い、実は分かっていなかった。義援金が届くには時間がかかる。こういう事も知っていないと風評や無責任な噂に振り回されてしまう。ボランティアは「やりがい」と「求められる役割」、「自由意志」と「責任」のバランスが難しい。存在だけで周りを幸せにできる特別な人は例外にして、『社会的立場』は脇に置いて一人の個人として行動できる事が大切な条件だと思う。
2016/04/18
さらば火野正平・寺
熊本九州の地震の為、期間限定で全ページ公開中だと読友さんの呟きで知った。著者は荻上チキ。TBSラジオの夜の番組をやっている人だな。折角である。読んでみた。なるほどこれは今から必要な書である。阪神淡路や東日本の大震災での支援の失敗も教訓に生かした内容である。募金募金と言うけれど、義援金と支援金は違い、募金は被災者にすぐには届かない(日本赤十字社を経由する)。支援物資が支援ゴミになるケースも多い。有名人が来る事を「売名行為」と謗るのは間違いである…等々、支援は善意や情熱だけでは時に迷惑をかける場合もあるのだ。
2016/04/16
p.ntsk
熊本地震発生につき出版社が期間限定で臨時公開して下さっています。支援にもいろんな方法があることが分かりました。ボランティアのあり方の基本としてあくまで被災者目線であること。分かっているようで分かっていないことがたくさんありました。普段からの防災・減災・災害支援の取り組みや教育が大事だと感じます。掲載されているのはこれまでの事例から集められ今後必要になってくる知恵の数々だと思います。まずは知ることから始めようと思います。
2016/04/16
しいたけ
期間限定無料版。一時の支援ではなくずっと続ける必要があること、その方法も載っている。それから障碍者の問題。これがいま一番気になっている。発達障害の子どもなどはこだわりが強く、避難所で過ごすことにパニックを起こしやすい。周りの被災者も余裕があるわけもない状況で、障害のある子どもを抱えた家族は居場所がなくなってしまう。先の災害時でも悲惨な話を聞き、熊本ではどうなっているかと気をもんでいる。
2016/04/18
あじ
災害支援で勘違いしやすいのは「今、何が出来るか」と、独り善がりで考えてしまうこと。被災者の気持ちを想像して支援するのは大切ではあるけれど、現地で一番必要とされている物資、人力は何なのか情報収集から始めるべきだと著者は繰り返す。この本は熊本地震以前に刊行され、特に注目を集めてはいなかった。刊行後に大きな災害がなければ、埋もれていたかもしれぬ書籍だ。今必要とされている支援、これからの支援、そしていつ起こるか知れぬ災害に対し、善処する知恵が得られる。【継続】こそが復興への近道なのだと思う。
2016/04/30
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