クリスマス・スト-リ-ズ
クリスマス・スト-リ-ズ / 感想・レビュー
のっち♬
1850〜67年執筆18章。『ブックス』に比べ内省性が強く、別居や慈善やジャーナリズムの体験が反映されている。孤児を育てる下宿屋未亡人や、聾唖の少女を引き取る呼売り大道商人の喜劇的独白は意識の流れ手法へ通じる密着度。なりきり円熟はコリンズの触発か。ジョーガン船長やゴブスも魅力的。人生の分岐点を鉄道駅にメタファライズした『マグビー・ジャンクション』は実存的命題も相まってカフカ的な寓話感。自伝エッセー、ロマンス、怪談、ミステリ、社会派…ハズレなし!幸せな気っ風を読者に注ぐ灯火係な文豪は短編も生涯成長し続けた。
2023/09/11
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