考える人・鶴見俊輔(FUKUOKA U ブックレット 3)
考える人・鶴見俊輔(FUKUOKA U ブックレット 3) / 感想・レビュー
fonfon
福岡ユネスコ協会主催の講演会「考える人 鶴見俊輔」の記録化である薄いブックレットですが、非常に充実していて、鶴見俊輔とは何者なのか、が目配りよく解る仕掛けになっています。私にとっての新しい発見は、「退行計画」に関連して紹介された、橋本峰雄による鶴見俊輔の「宗教性」への言及。「鶴見の仕事は一見クリアであるものをクリアでないところに引き下し、解体することであった」「退行し、退行し、退行する。その果ての『死とのとりまぜ』。「退行計画に現れている宗教性とは、死者らしい寛大さで、物事を幾重にも誤解すること」
2013/04/23
Bartleby
鶴見さんの文章でも「かるた」から「退行計画」までの一連の作品が特に好きで、でもそれがなぜなのかよく説明できないでいた。お二人の説明のおかげで、そうした「夜の時間」の思想に惹かれる理由が少し理解できた気がする。そしてそれが分かった分だけ、その思想をうちに抱えながらも「昼の時間」には人々の前に出続けた鶴見さんの凄さを改めて感じることもできた。
2013/10/27
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