文学ムック たべるのがおそい vol.4
文学ムック たべるのがおそい vol.4 / 感想・レビュー
HANA
文学ムック四号。この雑誌、毎号必ず自分好みの作家を入れてくるのだが、今号もその例に漏れず皆川博子とマルセル・シュオッブという二大看板が。もうね、皆川博子の随筆とシュオップの銅版画を思わせるような作品だけで大満足です。その他のフランス短編作品も軽やかな出来で面白かったし。小説では町田康、今まで未読だったけど言葉回しとか色々肌に合うなあ、これから読んでみようかな。同じく未読だった宮内悠介だけど、こちらは同じような趣向の話を筒井康隆で読んだためあまり印象に残らず。短歌については相変わらず理解の外でありました。
2017/11/11
ちょき
折角の芥川賞なので参加せにゃそんそん。と、いうことで取り敢えず宮内悠介「ディレイ・エフェクト」のみ読んだ。残りは後ほど読む予定。突如現代東京に戦時中の東京が残像として投影されてしまう。自宅に曽祖母が復活し、一緒瓶に詰め込んだ玄米を精製している風景が現れる。そしていよいよ、東京大空襲の夜を迎える。読みながら私だっら何するかなと、想像を貼り巡りつつ慎重に読み進めた。
2018/01/16
おかむら
芥川賞候補だった宮内悠介の「ディレイエフェクト」が載ってます。タイトルのディレイってのがイマイチよくわからないまま読み終えた(音楽の素養無し…)けれども、これ、意外にも面白かった! 現在と1944年がシンクロする話なのですが、その重なり方がほう!そうきたか! もっと長いバージョンで読みたい。
2018/02/25
阿部義彦
たべおそ4号読了。下手な出版社系の月刊文芸誌より遥かに充実して読みでがあります。今回はなんと言っても宮内悠介「ディレイ・エフェクト」に全て持って行かれた感がある。勿論他のも面白いのですが、今回の宮内さんの短編、戦争と核がテーマで、二つの世界が突然人民に重なって見えるというシチュエーションは小松左京さんの「影が重なる時」と同趣向ですが、そこからがまた凄い飛躍、妻失踪の物語へと帰着して、、兎に角唸ってしまう出来です。私が期待するのは、大和撫子ではなくこっちの路線です!他の小説には触れられなかった、許せ!
2017/11/05
kochi
宮内悠介「ディレイ・エフェクト」。一神教的超越的存在の故意又は過失によるものか、現代と75年前の東京が重なって存在する現象が。街を半透明の人や木炭車が行き交い、銭湯の女湯は公序良俗を慮り黒幕で覆われる。そして3月の東京大空襲、「わたし」は義祖母の家が焼夷弾に蹂躙されるのを目撃するが… 「横浜事件」や「竹槍事件」への言及とmake file、HDL等の技術的くすぐりが混在した、SF的設定を選考委員がどう評価し、どんなコメントするかが楽しみ。
2017/12/31
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