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永遠よりも少し短い日常

永遠よりも少し短い日常

永遠よりも少し短い日常

作家
荻原裕幸
出版社
書肆侃侃房
発売日
2022-09-06
ISBN
9784863855373
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永遠よりも少し短い日常 / 感想・レビュー

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りっとう ゆき

夢で淹れかけてゐたその珈琲の続きを淹れて春とつながる/FF外から失礼しますとゆふぐれの芙蓉がシャイな声で囁く

2022/10/08

yumicomachi

〈わたし〉を構成するもの、かつて〈わたし〉だったもの、これから〈わたし〉になるもの……などを表現した歌が面白い。〈秋のひざしが秋のわたしを分離して猫と眠りと寂しさになる〉〈わたしは私をきんもくせいは金木犀をはなれてあそぶ名城公園〉〈いまのいままでわたしの先端だつたのに切られて冬の灰皿に爪〉〈夏は秋へ急ぐわたしはわたしから外に向かつて自転車を漕ぐ〉等。また、殆どの歌に季節を示す語があり、俳句で季語として使われている語も取り入れられつつ、俳句とは異なる独特な抒情がかもされている。2022年8月発行の第七歌集。

2023/02/17

わいほす(noririn_papa)

前歌集「リリカル・アンドロイド」にすごく共感し、この歌人が大好きになり、本歌集は中身も見ずに即買い。なのに不思議と共感できる歌が少ない。それで前歌集を再読してみると、テーマもよく使われる言葉も雰囲気もそれほど変わらない。でも、本書の「永遠とか言つてた口をとりかへもせず菜の花のパスタを食べる」より前書「結婚をして何年だつたか咲いてゐる菜花のまざる菜花のパスタ」のほうが可愛らしくて断然好きだ。もしかすると、前作のリリカルな部分が少し冷めたレトリカルになっていて、それは著者があえて軸足を戻したからかもしれない。

2022/09/23

おひだい

「雌雄とはかぎらないけど京の空をリリカルに冬雲が寄り添ふ」「遠い夏の朝のピアノを聴くやうに過ぎてゆくその船を見てゐた」「ボールペンが落ちても鞄をひらいてもすべての音が十月である」「蜩の声たつぷり沁みてゐるここに住む以前からここにある窓」「録画せよセブンイレブン着膨れて不審者のやうに飛びこむ俺を」

2024/01/08

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