くちぶえカタログ (静山社文庫)
くちぶえカタログ (静山社文庫) / 感想・レビュー
ユメ
松浦さんはほとんど新しい服を買わず、気に入ったものをメンテナンスして大切にし続けているのだという。そういう暮らしには思わず憧れてしまうが、私がいきなり真似しようとしてもうまくいくはずがない。松浦さんのスタイルは、一生付き合いたいもの、古びないデザインのもの、作り手とのあいだに信頼関係を築けるものを試行錯誤しながら妥協せず探し続けた、彼の若かりし頃があってこそ成り立っているのだ。きっと今の私は、まだ探す時期。ものの背景にある文化やメッセージを吸収しながら、自分の暮らしに寄り添ってもらいたいものを見つけたい。
2018/02/15
ヨノスケ
松浦弥太郎さんのエッセイ。気に入ったものを生活の一部に取り入れて、こだわって使い続ける。一過性の流行ものとは違った味わいがあって、愛着を感じる。自分はそのような品物が近くにあるだろうか?と、ふと思った。さりげない短い文章に掲載されているモノクロ写真を見ると物の価値の概念が少し変わって見える、良い作品であった。
2024/08/03
kangaroo
はじめにと、あとがきが素晴らしい。「繁栄、快楽、永遠の進歩を夢見る時代はもう終わっています。簡素さとは軽やかで気楽で整然とし愛情を表現できることです。それはバランス、調和、謙虚さを持って、生きとし生けるもののよき隣人になることです。真の豊かさとは何ひとつ必要としない暮らしにあります。」震災よりもずっと前に書かれた文書ですが、今だからこそ胸に響きます。
2012/07/15
yuma
セーターの毛玉の話がよかった。
2016/06/12
あきこ
口笛を吹くようにいい気分で書く、というエッセイ。読むほうも気分よく読める。シンプルでも最高の心地よさを追求する作者のライフスタイルはとても素敵だ。そんな中での気づきがつづられている。人間の欲望にはキリがなく、世の中はその欲望を煽ることによる経済優先の時代だ。自分の生きていく標準を定めていかないと無限に流されてしまう。そんな中で松浦さんの提案を込めたエッセイは大切なヒントで一杯だ。自分で考えて買う。食べる。旅をする。そんな当たり前の中で自分を実現するヒントが入っている。
2014/05/09
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