醗酵人間 (ミステリ珍本全集03)
醗酵人間 (ミステリ珍本全集03) / 感想・レビュー
HANA
醗酵人間は醗酵食品を食べたり悪の心が熟成されると、体が醗酵する怪人なのだ!!正直何を言ってるかわからないだろうが、書いている自分もよくわからない。冒頭こそ復讐譚なのだが、話は飛んで銀幕の殺人だったり醗酵人間の偽物が出たりする。その間、醗酵人間は膨れ上がって空を飛んだり怪力を発揮したりする。ストーリー自体がよくわからない上、醗酵人間の能力が読み終わった今もよくわからない。同時収録の「改造人間」も同様にわからない。LSDを使った人格改造なのだが、同様に明後日の方向に話は進む。でもこういうB級嫌いじゃない。
2015/08/09
さっとる◎
気になっちゃうよねぇこのタイトル。何だよ醗酵人間て(笑)。海の彼方では復讐鬼ヨーグルト・マンと呼ばれる。墓場から甦った醗酵人間による復讐譚。なのかなあ、色々ぶれぶれ(笑)。前評判(?)よりは、あれ、意外とちゃんとしてるやん!と思いはしたのだけど。いやそうでもないか(笑)。「こけっか、きっきっ。ここまでおいで、甘酒進上」と笑い、こぼれたウイスキーをなめて十倍以上にふくれた身体で空を飛ぶ。その時の捨て台詞が「膨張係数の増加に比例して浮力が増大することは、小学生だって知っているぜ!」イカれてて憎めない本だった。
2016/11/05
geshi
もの凄くデタラメな怪作。怪奇復讐譚っぽく書こうとしていても、ノリは完全にB級特撮モノ。一応の科学的説明を入れるけど、ほとんど少年漫画の解説レベルだし、早業変身や怪力を駆使し果ては空まで飛び出すトンデモなさ。全体としての整合性や風呂敷を畳む事など最初から考えずやり切っていて、バカバカしいのにどこか憎めない。『台風圏の男』なんて連作ミステリーとしてやっていたのに途中から主人公交代して、ぬけぬけと言い訳を語っちゃう始末だし。むしろ、この作品が本としてまとまったこと自体が事件だ。
2016/10/31
miroku
戦後SF小説史上最大の奇書? いや、たんなるバカ本だ!
2015/02/08
ヨコツ
これは見事!三文小説中の三文小説!B級中のB級!黄金バットとかそういう子供向け活劇を無理矢理ミステリ仕立てにしてしまった感じ。昭和30年代当時にこんなぶっとんだ小説をミステリとして発表した事にも驚きを禁じ得ないが、まあ考えてみれば現代にこんな三文小説(けなし言葉ではありません。念のため)を書く作家もいないだろうから、珍本と言えばこれほど珍しい本もなかなか無いだろう。面白いと言えば面白いのだけれど、ミステリとしての納得感は特になく、キャラクターものとしては押し出しが弱い。あくまでB級小説好き向けの一冊か。
2014/08/10
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