風花島殺人事件 (ミステリ珍本全集08)
風花島殺人事件 (ミステリ珍本全集08) / 感想・レビュー
geshi
『風花島殺人事件』山前譲氏の選は本人が失敗と認める程の作品。トリックの手掛かりあからさますぎるし、計画的な犯人がこんな単純な失言で逮捕されるのも問題あり。『木乃伊の仮面』互いを探り合う男女という図がやりたかったのか。仮説の上に成り立つ動機のみで犯人としちゃうのはどうよ。『消された記憶』オチはそこまで悪くないから一人称にすればもっと面白くなったろうに。『殺戮者』捕虜時代の描写がリアルで、こんな雰囲気のミステリは読んだことないかも。思い違いも効いていて、この本の中では一番良い。
2016/06/26
kanamori
☆☆☆
2015/08/16
深川拓
ある男の失踪を追った探偵が遭遇した、孤島での殺人事件の謎を描いた表題作ほか長篇3作と中篇1作を収録。時代背景を濃厚に取り込んでいるが故の古めかしさはあるが、書き方が巧みでするすると読める。確かにミステリに慣れていなかったようだし、長篇がみな背景が似通っている嫌みはあるが、エピソードごとにひねりを加えて印象を変える職人的な技も見えて興味深い。
2020/05/26
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