ワイセツ論の政治学──走れ、エロス! [増補改訂版]
ワイセツ論の政治学──走れ、エロス! [増補改訂版] / 感想・レビュー
時雨
1994年刊行『走れ、エロス!』の増補改訂版。弁護士であり名画座のオーナーでもある筆者が、映像メディアを中心に猥褻物規制(警察規制・自主規制)の現状を批判的に論じる。メディアの技術革新とエロ、その規制が絡み合うように進んできた歴史を振り返る筆者は、児童ポルノ規制の強化を憂えつつも90年代以降の「事実上のエロの解禁現象」を基本的に歓迎する。猥褻規制はまず無くならないが、社会通念の変化を踏まえて裁判所が次第にトーンダウンしていくのではないかとの見立ては、楽観的に過ぎる気もするが実際ありそうな展開だとも思う。
2020/04/25
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