絶望名言 文庫版
絶望名言 文庫版 / 感想・レビュー
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【苦悩を突き抜けて歓喜にいたれ…ない時もある!】カフカ、ゲーテ、向田邦子など、作家たちが遺した"絶望"の言葉を深堀り。文学紹介者・頭木弘樹さんと川野一宇アナの掛け合いが優しく、時に鋭い▼人間のひとりひとりがそうであるように、言葉もいくつもの顔を持つ多面体なのだと思わされる。表面をなぞるような名言集とは、一味違う。
2023/07/06
ウクレレで歌う
医療の発達していない昔の文豪や芸術家たちの多くが、若い頃や幼いときに家族との死別を経験しているということに胸が痛んだ。いつだったか井上ひさしさんが「人生は涙の谷」と言われていたけど、確かにそう思っていたほうが生きるのが楽になる。絶望の名言より、悲哀とやさしさの名言のほうが多かった。何より頭木弘樹さんの、弱っている人に寄り添う言葉が大名言。優しい方なんだろうなあ
2024/05/20
MICKE
開高健が、文学とは病の産物なんじゃないか、というようなことを言っていたが、芸術も然り、明けない夜もあるという真実に気付かせてくれる。中島敦をもう少し読んでみようと思う。
2023/09/22
takka@ゲーム×読書
物語の登場人物は理不尽な壁にぶつかり、それにどう立ち向かうかが描かれる。そして、悪の親玉を倒す勧善懲悪や未来に羽ばたく「成功」「希望」の物語として終わることが多い。しかし、その裏には過程にある「絶望」があることによって心に響くものになっている。そして、現実で生きていく中でもさまざまな困難や苦しみ・悩みに遭うが即座に解決することは少ない。身近にもかかわらず過程としてスルーされがちな「絶望」に向き合うことを著者はこの本も含め数々の著作できっかけを与えてくれる。ラジオを聴くようにゆっくりこの本に触れてほしい。
2023/06/04
西
人生とは不条理なものであることを忘れないこと。どんなことが起きても、人生ってそんなもの、と思えれば少しは楽になる。抗ってポジティブ思考で押し切れる人もいるのだろうけど、私にはこの本に書かれているようなことに救われることがある
2024/07/15
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