証言・昭和の俳句 増補新装版
証言・昭和の俳句 増補新装版 / 感想・レビュー
みずさわゆうが
黒田杏子が兜太・六林男など社会性俳句の俳人を中心にインタビューしたものをまとめた本。所謂表に出てこない、人間の感情が浮かび上がる。期せずして西東三鬼が浮かび上がってくるのもよい。特に兜太の項が秀逸。好き勝手やっていた兜太が戦争を機社会性俳句に目覚める様子もよいが、楸邨、草田男をどう思ったかよく伝わった。インタビューならではの迫り方だ。赤城さかえが述べている、山本健吉との討論の時の彼の思いも聞きたかった。 もう、ほとんどの人が鬼籍に入っているだけに貴重な資料であり、自選句や現在の俳人・文化人の評も面白い。
2022/12/20
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