Habibi II [日本語版]
Habibi II [日本語版] / 感想・レビュー
bb
村はずれの砂漠から宮殿を経て大都市まで、架空のオリエント世界を舞台に大河のように流れる別れと再会の物語。それと寄り添うように、キリスト教・イスラム教の秘術が流麗なアラビア文字やモザイク模様によって紐解かれてゆく。物語の収束の完成度の高さのためだろうか、Ⅰ巻以上に印象的だった。美しいものが好きな人は是非とも読んでみてもらいたい。
2013/05/08
骨付きタロー
海外コミックというか漫画全般でも今の所今年一くらいに濃厚な漫画体験だった。アラビア文字、コーラン…全てが受難に満ちた二人の愛を視覚的に象っていく。アメコミ読みというより翻訳読み向けだと思うのだけれど、あんまり存在に気が付かれてないような…。ぜひある程度話題になって、blanketsも邦訳されることを期待してます。
2012/07/01
ままくー
人間の傲慢さ、欲深さ、卑しさが、顔をしかめてしまうほどインパクトのあるタッチで描かれている。正直読んでいて気持ちのいいものではない。生きるために売春すること、子供を売ること、欲を断つために生殖器を除去すること...「正しいこと」って何なんだろう、って疑問に思わずにはいられない。 真っ白な紙の上に、黒のインクだけでなんでこんなにいろんな世界を広げられるんだろう...圧巻...
2014/01/10
manatee
自分自身もまだ子供の時に年下の男の子を引き取り、その後離散し再会したら男女として惹かれ合う。生き抜くために体売って生活を成り立たせた彼女と、彼女への気持ちを守るために去勢した彼。全ては生き抜くために、相手を思いやって行っていたことなのに。お金や欲情に溺れた現代ともお話は錯綜し、人間の強情さを知る。
2020/11/21
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