最後の医者は桜を見上げて君を想う (TO文庫)
最後の医者は桜を見上げて君を想う (TO文庫) / 感想・レビュー
bunmei
総合病院を舞台とした命の尊厳に関わる、医師と患者との心の葛藤を描いた作品。昔懐かしい『白い巨塔』や『振り向けば奴がいる』のような陽と陰の医師が対立するストーリーですが、人の死に対する重さが漂います。 患者の生を諦めない医師・死を選択する権利を主張する医師・両者の狭間で自分の医療に自信の持てない医師。それぞれの医師が、余命を宣告された患者との残された時間の中で、死か延命かの究極の選択の前に、患者自身にどんな決断を迫るのか…。 死への階段をどう生きるかを問いかける物語。ハンカチを用意してお読みください。
2017/05/26
そる
福原の考えがやや極端すぎるのと周りが桐子を受け入れなさすぎる、ってのはあるけど、2人の対立と間に立つ音山、3人の同期の医者の物語はとても考えさせられ有意義な読書だった。確かにどの考えも間違ってない。ただ1つの考えだけでは上手くいかない。3人が力を合わせることが必要だった。お互いを認めていい医療体制を作って欲しかった。でもやっぱり死に近いなら良質に生きることを選択した方がいいと思える。「「(略)病気で死んでいく人にしてあげられることって、普段私たちが想像しているよりもずっと⋯⋯」(略)「何も、ないんだよ」」
2021/08/25
桜咲
図書館本。心身ともに疲れていて、生まれて初めて読まずに返却しようかと思ったけど、ちょっだけと読み始めたら、止まらなくなった。 登場人物が主役も端役も皆さん魅力的で愛すべきキャラクターで。医療的な知識も得られ、死に方、生き方について改めて考える機会をもらった。読んで良かった。
2018/04/21
おかむー
表紙の雰囲気と「死を勧める桐子(キリコ)という医者」の時点でキャラクター小説と思ったがしっかりとした医療ドラマでしたよ。『たいへんよくできました』。冷徹に残された生のために死を勧める桐子。治療を諦めず奇跡を起こすことに情熱を燃やす福原。両極なふたりの間で命に向かい合うことに悩む音山。三人の医師が対する三つの死の先に生まれる希望とは…。序盤ではどっちつかずの調整役だった音山が主人公だとわかる中盤から俄然物語に引きつけられる展開が秀逸。「生きること」と「延命すること」の意味を考えさせられる。オススメです。
2016/12/04
Renka☆*
最近よく読んでいる二宮さんの本。 医療系も書いていることに衝撃… 三つの短、中編小説だが、登場人物は基本変わりませんでした。 どの話でも途中涙が出そうになってしまった…
2017/05/27
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