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ヴィヨンの妻

ヴィヨンの妻

ヴィヨンの妻

作家
太宰治
出版社
青空文庫POD[NextPublishing]
発売日
2014-03-10
ISBN
9784864782982
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ヴィヨンの妻 / 感想・レビュー

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Tsuyoshi

青空文庫にて。酒に堕落したダメ夫である大谷に対し、達観した感じのある妻がもたらす温かい雰囲気に読後感は悪くなかった。愚痴ばかり溢す夫に対し「生きていればいいのよ」とさらっといい放つ妻に度量の大きさだけではなく意味深な不気味さすら感じてしまった。

2018/05/17

ミエル

佐藤信夫著レトリック感覚にインスパイアされて、ぽつぽつと太宰を読んでいる今月。ついに「ヴィヨンの妻」。 腐れ○○みたいな下種な人物ばかりで退廃ムード満点、陳腐なノワール感が何とも言えず香しくて良い。フランス文学との親和性も高いし、文学だけではなくアート面からも評価が高そう。サイコパス大谷に振り回される薄幸の内縁の妻の愚痴日記かと思いきや、逞しく図々しく成長する女の物語というのも興味深い。女の成長にある種の爽快感があるようでいて、薄汚くて物悲しい読後感がクセになる名作。

2018/12/27

minimu

おたんこナースが愛していた太宰。この話は未読だったので青空文庫で読んでみました。この年になってわたしもようやく太宰の良さがわかるような気がしました。弱さや醜さみたいなものが苦手だったのですが、なんか人間てそうだよねと思えるようになったというか。そしてそんななかであっても笑いながら、絶望せずに一歩一歩進んでいく妻(とても真似できない)。「奇蹟はやはり、この世の中にも、ときたま、あらわれるものらしゅうございます」図らずも、またひとつクリスマスの奇蹟の話を読むことができました。

2014/12/13

晴れ女のMoeco

いきなり、「あなたの夫は盗人だ」と言われる幕開け…「普通」(か、それ以上)の人が、何かしらずるいことをしている一文がすき。太宰治の小説に惹かれるのは、したたか?になる女と、インテリダメ男に惹かれるんだ。あー、読解力がないのがもどかしい。

2015/03/19

QUANON

大谷とさっちゃんの、一見破綻していそうなのにも関わらず妙な絆でつながっている不思議な関係性。退廃的でありながらもどこか温かい日常。不思議と読了感のよい作品。太宰治で一番好きかも。さっちゃんの最後のセリフはまさに圧巻。「人非人でもいいじゃないの。私たちは生きてさえいればいいのよ。」

2018/01/11

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