放浪記(初出)
放浪記(初出) / 感想・レビュー
いちⅡ
作者代表作。行動も思考も根っからの放浪者で自由を第一優先に生きた著者の自伝的小説なのですが、当時の女性でこんなに思い付いたまま行動する勇気がすごいなあと思う。土地を横断して何回も引っ越す経験が根なし草になり、自由を恐れず踏み出す主人公。内向的な女性なのだから拘泥する内面と変化の激しい外との対比が羨ましいような楽しいような世界観になっていて好きです。時間軸もなく何の導きもないまま突如場面や思考が切り替わるのに彼女は案外ゆったりした時間のなかに生きていてそれがまた振り回されている感もなくとても心地よい。
2020/08/14
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