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秋

作家
芥川龍之介
出版社
青空文庫POD[NextPublishing]
発売日
2014-10-31
ISBN
9784864789110
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秋 / 感想・レビュー

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みも

南木佳士氏作『阿弥陀堂だより』の中に、後に夫婦となる二人の高校生時代の語らい場面に登場する作品。優等生で初心な二人が話題にするのに相応しい作品。「秋」人生の秋をいつ感じるのかは人それぞれなのだろう。本著の主人公は、文学と恋愛に夢を抱いていた「夏」を懐かしむ。本意ではない結婚は「秋」でしかなく、幸福の幻に縋り付く姿が痛々しい。「もしその中に一つでも動かないものがあれば、それは薄雲を漂はせた、冷ややかな秋の空だけであった。彼女の心は静かであった。が、その静かさを支配するものは、寂しい諦めに外ならなかった。」

2018/11/04

クマシカ

朗読で再読。仲が良かった姉妹の照子と信子。信子は心通わせた従兄弟がいたが、照子の片思いを知り相手を譲った。幸せになるはずの結婚もなんとも侘しく夫と話していても楽しくない。妹は文学に進んだ従兄弟とそれなりに幸せにやっている。信子は自分で選択したものの、現状が辛く妹に罪悪感を与えたくなってしまう。照子の性格上、従兄弟と結ばれずとも別の結婚相手でも幸せになれそうだ。姉妹間でも結婚の良し悪しで溝ができてしまう、現代でも同じ。信子は幸せになれるのだろうか。

2023/12/05

NORI

電子。幼なじみの従兄・俊吉を巡って姉妹の三角関係 をドロドロとしたものでなく、姉が妹に従兄を譲るという自己犠牲を尊いものだと感じました。。最近のドロドロした小説を読んでると心が洗われてるようでした(笑)

2020/04/30

sshota0313

面白かった。妹のために思い人から身を引いた姉の、そこまでであれば清らかないい話で終わりそうな話の、その後が描かれていた。美しい自己犠牲の精神も、実際のその後の苦労困難を前にしたらやりきれなくなるよな、それも現実だよな、と思った。それに秘めて言えない、誰も言い出せない恋心のシーンが重なって、切ない部分もあった。芥川龍之介ってこんなにすごかったのか、と思った。

2019/05/16

あらなみ

青空文庫にて。姉も妹も、多分俊吉も、みんな幸福とは言えない。

2018/12/05

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