終末処分
終末処分 / 感想・レビュー
ハチアカデミー
原子力発電所の開発を先導した研究者による、おかしな復讐の物語。原発を痛烈に批判する! とかじゃなくて、違和感という感覚的なものを根底に据えた主人公が魅力。とはいえ、そこは野坂「核兵器を保持するための原発」とかさらりといっちゃう。原発による発電に対抗するため、夢の島に蓄積され続けるごみを利用するという計画を立てて調査を続ける。そこで様々な人間と出会い… コミカルな復讐のラストが◎これが文学の復讐なのだ。泡銭などごみとなってしまえばよい。
2013/10/03
下町ロコモーティブ
*昭和53年に雑誌に連載され平成24年に著者が後書きを加え新たに発刊。原発が持つ重大な問題や他国に類を見ない日本の贅沢ライフに40年前に問題を提起している。著者初読みだが読点を多く使った長文など新鮮な印象かつ著者の凄さを初めて知った。
2016/05/10
coolflat
70年代に原発でなく、使用済み核燃料の処分について問題提起しているのは凄いと思う。他の人も感想に書いているが、本書は原発をメインテーマにしているわけではない。なので個人的に本編から得られるものは余りなかった。だが後書きは必読だ。著者は福島原発事故を踏まえて書いている。納得するのは、原発推進していく構造には世間の無関心さがあるということ。東日本大震災は人々が目覚めるいい機会だったが、やはりどこか他人事だということ。結局、皆が皆、天災は天災と片付け、原発事故を不幸な事故として片付けようとしているということだ。
2014/05/12
今庄和恵@マチカドホケン室/コネクトロン
オペレーションノアに通じるものを感じました。この人ってほんと先見の明があるのだわ。
2013/11/26
chinayo
原子力ムラの詳しい話かと思ったが、ゴミ処理の話がメインだった。そのゴミの中で、使用済核燃料の話も出てくる。2012年に出た本なので、後書きには、福島の原発事故については、少し記載がある。
2016/07/12
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