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明日の友を数えれば

明日の友を数えれば

明日の友を数えれば

作家
常盤新平
出版社
幻戯書房
発売日
2012-11-27
ISBN
9784864880091
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明日の友を数えれば / 感想・レビュー

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じいじ

'13年1月81歳で永眠した常盤新平の遺作。口下手で人付き合いが苦手な著者が、身近な友を、日常を淡々と綴ったエッセイ。読み心地がよく、心が和みます。円熟した恋の話は味わいがあります。53歳の知人が、夫のいる49歳の女に恋に落ちた話は秀逸。短篇が一話描ける中身の濃さで傑作だ。ユーモアに富む常盤さん、心が安らぐときは、奥様の機嫌がいいときだそうだ。作家のほか翻訳者としても幾多のベストセラーを残された。山口瞳の文章を手本にした。特に台詞は参考になった、と述懐している。枯淡の味わいの文章をもっと読みたかった。合掌

2015/08/04

lonesome

常盤新平さんが好きな川口松太郎の「人情馬鹿物語」や常盤さんにとっての古典という永井龍夫「石版東京図絵」、そして木山捷平についてや山口瞳先生とのことなど、それに家族や友人、行きつけの店のことを読んで、なるほどなあと常盤さんの人となりが見えてくるようなエッセイ集だった。「国立の恩師」で語られている山口瞳先生の話では、自分は二人は同世代だと思っていたので、常盤さんが山口瞳の文章を参考にしていたと知ってへえと感動してしまった。タイトルの「明日の友を数えれば」は、来し方を振り返るという意味なのだと感じた。

2016/01/16

ほう

常盤さんのエッセイは淡々と読み進められる所がいいと思う。それでいて滋味深い事柄がそっと収められていたりして、時々読み返したくなる作家のお一人である。本書は2012年に初版が発行され、翌年に常盤さんは亡くなられた。数々の本、エッセイをありがとうございます。

2021/12/11

Reina R

「無限につづくものなんてないんだ」 当たり前の事だけど、それをひしひしと実感する時が人間誰にでもあるもので。穏やかな、それでいてエネルギッシュな常磐さんのエッセイ集。

2013/12/02

ミノカサゴ134

2003年から2011年にかけて雑誌等に掲載されたものをまとめたエッセイ集。著者の晩年近くだからか繰り返し「老い」と「諦念」が滲み出ている。この著者の70年代後半から80年代にかけてベストセラーになった数々の翻訳をリアルタイムで読んだ者にとっては、かつての活躍ぶりとの落差に粛然となる。しかし翻訳の名手は同時にエッセイの名手でもあり、どれもしみじみと味わい深い話ばかりで読んでいる間はいつもこの本を側に置いていた。自分には「おばあさんの寿司屋」と「米寿の兄」が特に印象に残った。

2021/05/02

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