みんなみんな逝ってしまった、けれど文学は死なない。
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みんなみんな逝ってしまった、けれど文学は死なない。 / 感想・レビュー
もりくに
坪内祐三さんが急逝して、もう十か月。あれほど楽しみにしていたコンビニでの「週刊文春」の立ち読みはなくなった。毎週ドキドキしながら、「文庫本を狙え!」を開いて、自分の知っている本、とりわけ読んだ本の書名を見つけると、鼻高々だった。未見の本の紹介は、一字一句、丁寧に読んで、頭に刻んだ。その「黄金の日々」は終わった。この本は、彼の愛用した語彙「雑文」を、彼の後期の代表的な編集者・名嘉真春紀さんが、企画・編集したものだ。「跋」を書いた平山周吉さんによれば彼の仕事は、長編評論、連載コラム、連載日誌そして「雑文」。→
2020/11/07
ソングライン
1958年生まれ、編集者を経て評論家となり、昨年のはじめに急逝された作者の評論集です。1980年代以降の文壇、恩師であった知の人山口昌男、古書店めぐりの楽しみ、閉店していく書店の寂しさが綴られます。特に印象に残るのは福田章二論で、「喪失」「封印は花やかに」の詳しい解説から、筆を折った福田章二が庄司薫として再登場し、その4部作の最終作「僕の大好きな青髭」を浪人生の時に読んだ幸福が語られます。庄司薫と吉井由吉が日比谷高校の同級生であることを知り、驚き、もう本当に庄司薫の新作は読めないのかと寂しくなりました。
2021/01/12
Shun'ichiro AKIKUSA
ほかにも未収録原稿は相当ありそうだが、もう出ないのだろうか。
2020/09/09
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