ブルシット・ジョブと現代思想 (THINKING「O」018号)
ブルシット・ジョブと現代思想 (THINKING「O」018号) / 感想・レビュー
ころこ
千葉の『勉強の哲学』をビジネス書として読み替え、ブルシットジョブ(BSJ)とつなげています。千葉は対談だけで文章を寄稿していないので、この企画にどこまで本書に乗り気だったのか気になるところです。期待した組み合わせは往々にしてすれ違いに終わるのは、著者の抜け目ない準備による文脈のつくり方が、かえってゲストの持ち味を消しているからではないかと思います。千葉はBSJについて、必要に応じて「労働」とすればよいものを「仕事」とすることで給料が高くなるという倒錯的な作用であり、両義的で人間的だという理解をしています。
2022/06/05
特盛
評価3.8/5。前半は千葉雅也氏との対話。その著書、勉強の哲学に関する談義で、現代思想、ラカンやハンナアーレントも下敷きに語られる。ブルシットジョブについては後半の、<クソどうでもいい仕事>と<記号>で大澤氏の考えが述べられる。グレーバーの主張を点検し、資本主義の下では、あらゆる仕事は有意味でもあり、ブルシット化すると。問いは答えに先行して本来物自体にあるとドゥルーズを引用。資本を増やせ、というモノフォニー化の中で仕事の中の声が聞こえなくなっている。克服のヒントは芸術と、勉強(千葉氏の言う)である。ふむ。
2024/01/30
koke
仕事の例として建築家を挙げるのはずるくないか。ここはブルシットジョブとされている職業を例にするべきだろう。ハイデガーの翻訳をした工場労働者の話も論旨からズレている。しかも最後の最後に、純粋にクソどうでもいい仕事も存在するのでその場合は「辞めてしまえばよい」という。ではブルシットジョブのうち「クソどうでもよくないブルシットジョブ」はどれだけ存在するのか?と聞きたい。千葉雅也との対談は面白かった。
2022/09/09
チェリ
グレーバー氏の死後もこうやって啓蒙活動が起きていることを喜ばしく思う。原典のブルシットジョブよりもだいぶコンパクトに要点をまとめられている点も非常に良くて、むしろこの本の方が入門向け。金銭的なインセンティブを与えることで、寧ろパフォーマンスが落ちてしまう実例も心に刺さるものばかりだった。最近自分は良い給料の仕事を選んで就く事は、嫁や親に良い生活をしてもらう為にやっているのだと思う様にしており、本来自分はタダでこの仕事をやってもいいんだけどなぁという気概を持ち続けられるようにしている。
2022/08/24
リットン
ブルジットジョブ本体を読むつもりが、間違えて買ってしまった(表紙似すぎやろ、、って思ったのは僕がそそっかしいからだろうか。。) 内容は全然よく分からなかった。ブルジットジョブ自体を読むか迷うなぁ。。
2023/03/09
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