翻訳問答 英語と日本語行ったり来たり
翻訳問答 英語と日本語行ったり来たり / 感想・レビュー
ユメ
文学作品の翻訳に携わる二人に『赤毛のアン』や『嵐が丘』といった名作の冒頭が示され、各々が翻訳した文章を持ち寄り対談する。話が弾むこともあれば矜恃のぶつかり合いもあり、何度「面白い」と嘆息したことか。翻訳も「創作」と呼べるのかもしれない、と思った。原文という事実は揺るがないが、どの角度から翻訳という光を当てるかで見え方が変わる。きちんと習得された言語は自由に使える貨幣のようなもの、というのは英語学習の話題で出された例えだが、母国語も思うように使いこなせない私には良い刺激だった。言葉を選ぶのは苦しいが楽しい。
2015/06/27
Y
翻訳文学好きなら絶対に興味深く読める1冊。原文を細部まで正しく訳していても英文和訳のような翻訳なら、原文が完全に訳されることはないので完全さよりもその小説の雰囲気を的確につかんだ翻訳の方が翻訳として正しいという話にはふむふむと唸った。言葉を取り扱うことにまつわる細かな苦労に本当に気が遠くなった。翻訳家に対する尊敬の念が強まるどころか頭が上がらなくなるような対談だった。お題になってる作品も有名どころばかりで、読み手の目線ではスルーしてしまうところにも翻訳家の並々ならぬ苦労が垣間見えた。いやあすごい。
2014/09/12
mizuki
片岡義男さんと鴻巣友季子さんが同じ作品を翻訳し、さらに比べることで、翻訳について語られた内容になっています。英語にうまく一致する日本語が見つからない時のもどかしさが大変よく伝わってきて、面白かったです。個人的に、女性作家の翻訳は情景や心理描写が丁寧なので、女性翻訳者の方が合っていると思いました。男性作家も力強さや行動力のある感じが、男性が翻訳した方が合っているとも思いました。これから翻訳ものを選ぶときに参考にしたいと思います♩そしてお気に入りの翻訳者さんとのこれからの出会いに期待♡
2017/05/24
Koning
翻訳のあれこれということで、二人が短い文章を訳してそれを比較しつつ、既訳書との比較もしつつ対談という形式。いろいろとメカラウロコな事も多いのだけれど、片岡流も現代エンタテイメント小説ならばありだろうけれど、読みやすければいいってもんじゃないからなぁ(亀山某のアレみたいに読みやすいけど意味が変わっちゃってるよ!とか、原著がグダグダなのがそうじゃなくなるとそれはそれで問題だし)。でもまぁエンタテイメントならこういうのもアリだよね。とか言いつつ結構うむうむ納得しつつ読んだんだよね(笑
2014/12/23
すみの
翻訳家はある意味小説家。他言語をあまりよく知らないが、日本語ほど類義語が多い言語ってあるのかしら?日本語へ翻訳するときに言葉の選び方、使い方、置き方でこうもカンジがかわるとは・・・。さすがのおふたり!
2014/11/27
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