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翻訳問答2 創作のヒミツ

翻訳問答2 創作のヒミツ

翻訳問答2 創作のヒミツ

作家
鴻巣友季子
出版社
左右社
発売日
2016-01-20
ISBN
9784865281323
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翻訳問答2 創作のヒミツ / 感想・レビュー

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yumiko

これは面白い!「吾輩は猫である」「かぐや姫」などの超メジャー作品の英訳を、これまた名だたる小説家の方々が和訳。そこから見えてくる翻訳とは?創作とは?日本語とは?翻訳とはただ訳すことにあらず、創作の力も必要なのだということがよく分かった。一人称の選択で小説の世界観が決まるという話や、日本語→英語→日本語の間に消えたり、加えられたりする言葉が出てくるのも面白い。ひしと感じたのは、日本語のユニークさと豊かさ。たとえメジャーでなくとも、この独特な言語を日本人として大切にしていかなければならないと思った。

2016/06/01

佐島楓

鴻巣さんと著名な作家さんたちとの翻訳「問答」。英語の翻訳という作業に興味があったので読んだ。翻訳は、この場合日本語の語彙のふくらみの深い理解と、英語の文法と語彙に重々慣れておかないとできない。二つの言語を行ったり来たりするだけで特殊能力が必要だと思った。もともと重なるところのほぼない言語同士をすり合わせる作業。中学英語で限界を感じた私には絶望的に見えた(けど勉強はやめない)。

2019/07/04

ユメ

第二弾は、鴻巣友季子さんと五人の作家さんたちの対談。今回は、英訳された日本文学を日本語にいわば「訳し戻す」という新しい試みが。これが本当に面白かった。漱石の英訳「I am a cat」を日本語に翻訳しようとしても、普通に訳せば「吾輩は猫である」という文体にはならないわけで。翻訳=原文ではないという気づきを初めて得た。翻訳も創作なのだなあというのが『翻訳問答』『翻訳問答2』を通して持ったいちばんの実感。翻訳問答によって日本語と英語それぞれの特徴が浮かび上がり、文学論や文学論へと話が繋がっていくのが興味深い。

2016/04/02

瀧ながれ

英訳された『吾輩は猫である』を日本語に訳す。ハーンの『雪女』を日本語に訳す。英訳と英訳を元にしたスペイン語訳の『アラビアンナイト』を日本語に訳す。など、おもしろい試みが並ぶ本。わたしは日本語しかわからないので、著者たちの会話のほんとうのところは理解しきれていないのだけど、「翻訳」が元の文章とは異なる存在に変化したものだとはわかった。英語では「I」や「you」でしか表せないものが、日本語ではそれだけで性別や性格や出身地や身分の上下まで伝えてくる複雑さ。こんど翻訳小説を読むとき、あれこれ気にしてみたい。

2017/10/17

かもめ通信

翻訳家の鴻巣友希子さんがゲストを迎え、翻訳について縦横斜めに語り倒し翻訳のヒミツに迫る面白企画の第2弾!今回はなんと5人の作家と対決?!ただ単に抜粋部分を訳し合って並べてみたというだけではない。対談の中でどんなことに留意したや、躓いたところ気になったところがあげられて、それぞれがどんな視点や姿勢で翻訳に挑んでいるかがつまびらかに。訳者によって味わいが変わることもよくわかる。対象作品の掘り下げ方も半端ではなく、一つ一つがかなりの読み応え。あるある感がいっぱいの「先取りの剽窃」をめぐるあれこれも興味深かった。

2016/05/23

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