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今という驚きを考えたことがありますか マクタガートを超えて (大澤真幸THINKING O)

今という驚きを考えたことがありますか マクタガートを超えて (大澤真幸THINKING O)

今という驚きを考えたことがありますか マクタガートを超えて (大澤真幸THINKING O)

作家
大澤真幸
永井均
出版社
左右社
発売日
2018-06-04
ISBN
9784865282023
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今という驚きを考えたことがありますか マクタガートを超えて (大澤真幸THINKING O) / 感想・レビュー

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へくとぱすかる

再読。マクタガートの時間不存在証明への反論は、時間が存在するという前提があるために退けられる、というのだが、できごとについて、過去性・現在性・未来性のいずれかを持つ場合、残りの二つは、A系列が時間の基本なら、両立も鼎立もありえないのだから持てないし、持たない。したがって、持っているから矛盾だという証明はできないのではないか、と思った。しかしこんな単純な考えは、どこかに穴があるような気がする。<今>と<私>の、驚くほどの類似した構造、神だからわかりえないことがあるなど、類書が読みたくなる論が満載でした。

2022/02/17

へくとぱすかる

現実にただひとつの世界を開いている<今>や<私>について、どれだけ驚けるかが、永井哲学を理解……ではないな、親身に読み進められるかのバロメーターなのだろう。マクタガートの時間論の最もラジカルな点は、もちろん「時間は実在しない」という結論。これを矛盾のまま包括して対談に臨んだのが永井さん。大澤さんはそれに対して、マクタガートへの反論を対談後に書く。読み終わって、哲学は感覚が大切なのだとつくづく思う。現実には不可能な思考実験の当否を判断するのは、結局感覚・感性だからだ。

2018/09/30

ころこ

大澤の言葉で永井哲学を別角度から光を当てています。本書は、①マクタガート『時間の非実在性』と付随した論点の解説、②<私>や<今>の類比における永井の考え方、③以上を踏まえた大澤の展開、に分類されます。まず、①が非常に上手く、簡潔にまとめられています。本家の永井訳よりも読み易いので、本家を読まなくても良いのではないかとすら思わせます。大澤の要約力と理解力に改めて驚かされます。同時に、理解されることと、されないこととの相克にある永井の哲学の秘密が、言葉の使い方のこだわりに表れていたのだと気が付かされました。要

2018/06/03

kentaro mori

マクタガート『時間の非実在性』への入門編。とてもわかりやすい。そして奥深い。<私>と「現在」の共通性。●人間は百年前にも存在したし、おそらく百年後にも存在するでしょうが、<私>がいるのは今だけ、この数十年だけです。この<私>とは何なのか。●もしかすると、<私>に関する問題の根源の根源も言語のこの仕組みにあるかもしれないです。ここでいま問題にしているような時間に関する問題も、実際の時間のあり方そのものの問題というよりは、言語が手なずけた後の時間のあり方に関する問題である可能性が強い。

2018/07/06

袖崎いたる

永井均と大澤真幸がマクダガートを批判するための足場について語り合う。永井均は矛盾を矛盾のまま提示しようとするその仕方で仕事をしているが、大澤真幸はその矛盾を整理してマグダガートの山を越えようとする。手掛かりには他者。レヴィナスの触覚論を通して、現前する他者の老いをマグダガートの今へとかざしてみせ、矛盾とされた現在の過去性と未来性とを照明することによって解決!と結論する。くっくっく。これを永井均はなんと診るんだろう。その視角を照明してみたいね。

2024/10/20

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