近親性交とそのタブー 〔文化人類学と自然人類学のあらたな地平〕 〈新版〉
近親性交とそのタブー 〔文化人類学と自然人類学のあらたな地平〕 〈新版〉 / 感想・レビュー
kenitirokikuti
「新版への序」から。〈山極寿一さんのいう「求愛行為では雄が主導的だが、最終的な交尾の決定権は雌が持っているという霊長類の特徴」が、ヒトにも基本的にあてはまるとすれば、…息子と母、甥と伯(叔)母の性的結合の方が、父と娘、伯(叔)父と姪よりも、一般的に起こり易いとは言えるだろう〉。確かに女の描くエロ漫画では、やるかやらないか迷ったり、拒んだりするシーンがある感じ▲ 〈鳥類や哺乳類では兄妹交配の頻度は低い。〉
2018/11/24
シマ
集団間において〈女性の交換による「関係の生成」〉が成り立っていた、ということは集団内の娘との性交は禁じられなければならない。つまり近親性交は広く近親者から成る集団での性交、となってしまう。ならば、父・母・子という核家族を指すものではなかったのでは?という具合に、近親という範囲は定まったものではなく、婚姻により成立した、ともいえる。そこからタブー視された。そして交換される女性というのは、母としては集団内に属する「同一者」であるが、配偶者としては元の集団に属する「他者性」をまとっている、という二重性がある。
2023/05/08
しいかあ
シンポジウムのまとめということで内容は広く浅くといったところ。レヴィ=ストロースはオイディプス神話の構造分析もやってるけど、彼自身はフロイトの説なんか呪術師の語る神話と大差ないものとみなしてそうな気がする。一番最後の高橋さんの話が「人の婚姻は基本的にはすべてインセスト」というレヴィ=ストロースのコメントをわかりやすく解いているように思えた。
2020/12/29
感想・レビューをもっと見る