生る 〔宮沢賢治で生命誌を読む〕 (中村桂子コレクション・いのち愛づる生命誌(全8巻)第7巻)
生る 〔宮沢賢治で生命誌を読む〕 (中村桂子コレクション・いのち愛づる生命誌(全8巻)第7巻) / 感想・レビュー
tamami
今地球上にある生命は、38億年の昔から繋がっていて、身の周りの草木虫魚は全て進化の最先端としての存在である。一度でも生命誌の考え方に触れると、それは脳裏に固定されて己を虜にする。今回の『宮沢賢治で生命誌を読む』も、賢治童話に「命が全体を生きることの意味」を読み込むことで、これまで抱いていた物語世界や社会批評としての童話という見方が大きく転換を迫り、自分を捉えて離さない。また本書には、人類史の中で農業が担った原罪的な出来事の意味を問いかける場面が幾つかあり、改めて自然や生命、人の幸せについて考えさせられた。
2021/09/09
紙狸
2021年8月刊行。宮沢賢治の作品世界は豊穣であり、様々な分野の人をひきつけてきた。この本は、生命科学者で「生命誌」を提唱する中村桂子氏による。専門分野への牽強付会ではなくて、素直に作品を読んで感じたところをつづっている。それでも中村氏らしい解釈になっている。「セロ弾きのゴーシュ」で主人公が水を飲むくだりに着目している。そうか、なるほどという感じ。原作が懐かしくなり再読した。
2021/09/18
みみ
グスコーブドリの生きている甲斐が〜のくだりが好き
2024/06/03
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