落花生
落花生 / 感想・レビュー
そうたそ
★★☆☆☆ 二度目の薬物での逮捕から復帰第一作となる本書。何か安易に謝罪的な文章でも連なっていたらどうしようかと思っていたらそれは杞憂だった。本文を読んで、嶽本野ばららしさは失われておらず安心した。エッセイ集であれど、どことなく堅苦しい内容・言葉が並ぶ内容は少し読み辛い。血塗られたような真っ赤な装幀が特徴的なのだが、ページの縁まで塗ってしまうパターンってよくあるけど、これは手にインクが付かなくなるような技術はまだないものなのかなあ。
2016/10/06
ユーカ
淡々と読んだ。その感じがとても心地いい。同じ病院に通院するおじさんと公園の砂場で穴を掘る話が好き。野ばらちゃんも、おじさんも戦いの中にいる感覚があって、それは僕も同じ。だから色んな意味で、いつ向こう側に行ってしまってもおかしくないなとぼんやり思う。そのギリギリのラインで自分を制御することが僕は好きなのだろう。あとがきの「落花生」というタイトルの由来を読んで、かわいい人だなぁと思った。
2016/12/07
りりす
この本は定価1700円ですが、『女子は腫れ物』だけでも1500円の価値はあります。要は女子はとんでもないけど男子よりは見苦しくないし、そんな女子の狂ったところが好きだ、女子に夢を見る男子は阿保だということなんだけど、そこまで言い切るかと思うほど言い切る(この断定の語りが面白い)。不思議なのは、これほど女子を直視する嶽本野ばらがヘテロセクシャルなこと。プラトン見習って(?)ホモになってはいない。男子の考えに賛同できないというようなことを言っているし、嶽本野ばらと女子の恋愛は百合なのかもしれない。
2017/04/27
ヒロミ
野ばらちゃんはたとえクスリで捕まっても、魂がガチガチのロリータなので読んでいてどこか安定感がある。このエッセイ集は野ばらちゃんが二度目の逮捕後、京都に戻ってから書かれたもの。「男子追放宣言 可愛いに死す」が最高ですねえ。ヨッ!野ばらちゃん!と大向こうから掛け声をあびせたくなるような、ガチな乙女派宣言として受け止めました。私はロリータ服は着たことないし着るつもりもないですが、いつだって心はロリータです。
2021/04/01
しば
野ばらちゃんのエッセイ集は久しぶりだ。嬉しい。おかえりなさいと抱きしめてから読んだ。御家族の話や病院での話など珍しいものや少し難しい話、そして野ばらちゃんらしいお話。それいぬから読み返したくなるような感じ。シュレディンガーの猫の章が、好きかな。
2016/09/05
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