優雅な読書が最高の復讐である 山崎まどか書評エッセイ集
優雅な読書が最高の復讐である 山崎まどか書評エッセイ集 / 感想・レビュー
くさてる
良いブックガイドの条件として、まず、紹介されている本を読みたくなるというのは第一だと思うのだけど、それと同時に、その紹介の文章そのものが読んでいて面白く心地よいというのも挙げられると思う。とかく、書評というと一刀両断切ってしまう辛口なものが正しいと思わされがちだけど、こんな風にそれぞれの本を楽しそうに読み応えある感じで(なおかつネタバレなしで)紹介してくれるものこそ、良い書評なのではないかな。残念な点があるとするなら、まだ未訳の本も紹介されていて、読みたくて唸ってしまうこと。今後の翻訳に期待したいです。
2018/11/14
ai
14年分の書評エッセイ集。まず、タイトルが最高。そして装丁が超おしゃれ(横から見ても可愛い!)。インテリアとして置いておくだけでも良い本。内容もたっぷり充実、洋書は苦手だけどあれもこれも読んでみたいと思うものがたくさん。トークショーでも触れていた「当世出会い事情」がすごく気になる。私が普段好んで読んでいる日本の作家さんの書評もあって嬉しい。書評ではないけどエッセイYou are what you readがめちゃくちゃ好き。ロマンティック。あとがきも素晴らしくて、まどかさん、本当に最高です!
2018/06/24
踊る猫
ゴージャスな書物ではない。喩えるならフリマで買った洋服で小洒落たファッションを決めてみせるような、そんな賢さ/スマートさが魅力的な一冊。背伸びをしてみたいティーンから、放課後を生きる社会人まで読者層は広い。「乙女」がメインとなっているが、私のような野郎も跳ね除けない間口の広さに驚かされる。著者の美点が更に磨かれて出来上がった一冊、という感じ。アメリカ文学の最先端から、日本のオールドスクールな古本まで縦横無尽に繋いでみせるDJとしての手腕が発揮された一冊。悪く言えば情報ばかりという感もあるが、私は満喫出来た
2018/06/10
阿部義彦
最近私の琴線に触れる本をだしている、ディスクユニオンブックスからの新刊です。乙女カルチャーに詳しい山崎まどかさんの書評や古本屋巡りに関するエッセイを集めた雑文集。「一人で本を探し、本を読みレコードや映画を楽しんだ時間が私を作った。読書の喜びは本当のところ誰とも分かち会えない。ロマンスに近い。何でも『シェア』が基本の現代でこんな自分勝手な楽しみは他にない。」さてそんなまどかさんは実は古本女子でもあり、本に対しては強欲なのであります。79頁の日記「ゆまに書房のワゴン」これが私的にはツボでした。たまりませんわ
2018/06/24
踊る猫
誰もが知るように、読書家とはだらしない人種である。少なくとも、本を読むことは快楽を享受することである。快楽に溺れる読書家の姿はその意味でだらしない。だが、山崎まどかの姿勢は不思議なことにだらしなさとはとことん無縁で、時に喜びに溺れるところを見せつつも同時にストイックな上品さで自分を支えることを忘れない。従って彼女からはスノッブさがそれほど(皆無とは言わないにしろ)匂ってこない。生真面目でスマート。そんな彼女に愛された本、読まれた本は幸せだと思う。情報の多さに怯まずに読めば、彼女の姿勢から様々なことを学べる
2021/05/29
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