新蒸気波要点ガイド (ヴェイパーウェイヴ・アーカイブス2009-2019)
新蒸気波要点ガイド (ヴェイパーウェイヴ・アーカイブス2009-2019) / 感想・レビュー
ネジ
★★★★★ インターネット上で生まれた音楽ジャンル:Vaporwaveの解説書。この音楽ジャンルは自分一人で調べて全貌が掴めず本書を購入したが、隅々まで解説が行き渡り、シーンの考察も深く驚嘆した。理解が深まり、さらにVaporwaveを愛することができた。
2024/01/08
Mentyu
80年代を中心とした時期のコンテンツ(およびそれに類する雰囲気)のエモい部分を切り取り、当時与えられていた意味を抜き去って、ミームとして大量消費する。もはや音楽に留まらないとされるヴェイパーウェイブの核にあるのは、どうもそういう風潮らしい。近代を解体しようとした80年代のポストモダン的な諸々を更に解体して、美味しいところだけ詰め合わせて享受するというのは、ある意味ではインターネットの発展という熟成期間を置いてポストモダンが完成した姿のようにも思われる。
2020/02/02
Atsumi_SAKURADA
ユリイカで特集が組まれるほどのVaporwaveは、それだけいろんな人に何かを語らせるという点において何らかの「現代アート」な感があります。ただし、価値を示すのは再生数とダウンロード数で、本当に値段がつくのは複製数が限定的なカセットテープですが(浮世絵?)。本書はその作品カタログなのですが、レディメイドの改変と捏造の試みの便覧でもあります。二流品と二流品を混ぜても一流品になることはあり得ない…かどうかは不明ですが、自分が流したい音源を流すということを最も強く肯定するジャンルとはいえそうです。
2021/08/12
ルンブマ
vaporwaveの起源に関してよく話題となる、Vektroidの発言(「坂本龍一がvaporwaveを30年前に作った」)は、神格化されすぎだと思うな。
2022/12/15
ひつじ
Vaporwaveという言葉の定義から成り立ち、関連する各ジャンルへの派生、代表的なディスコグラフィなどを紹介した文字通り要点ガイド アーティストへのインタビューや「Vaporwaveにアニメは必要か」といったコラム、レーベルの傾向、アートワークに頻繁に参照されてきたTVゲームが逆にVaporwave的モチーフを参照するようになってきた(スプラのオクトエキスパンションとか)などなど興味深い内容盛りだくさんでめちゃくちゃ面白かった 今更だけどディスコグラフィ全部メモしたからこれから掘るぞ〜〜
2021/09/18
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