Jason Fourthroom
Jason Fourthroom / 感想・レビュー
TSUBASA
奈津川くんのことが好きな「私」と、それでも彼女が好きな「僕」。互いに惹かれるところがありながらも「僕」を拒絶する「私」。『煙か土か食い物』の5年前に執筆された未発表詩。散文詩形式の「僕」と「私」の恋愛過程という感じでなんか独特な文章だった。相当前の文章なのでまだ洗練されてないのかなと思ったりもしたけど、その後の作品にも通ずるピュアでこじれた愛の片鱗が感じられる。舞城作品の根本を貫く物を目の当たりにした感じがした。読むなら他の舞城作品何作か読んだうえでどうぞ。
2022/11/13
なつのおすすめあにめ
「大爆笑カレー」という名前の探偵を活躍させたメタミステリを編集部に送りつけ「困った常連さん」と呼ばれていた舞城王太郎……、しかしデビュー作は「別人が書いているとしか思えないぐらい面白かった」と言われるくらいの大傑作だったという。そのデビューより5年前の1996年、この年は同じように「九十九十九」という名前の探偵などがたくさん登場し活躍するメタミステリで清涼院流水がデビューした年。では舞城は何を書いていたかというと……、この未発表詩集なのですね。「別人が書いているとしか思えない」という編集部の気持ちになる。
2022/10/03
へっけ
舞城王太郎デビュー5年前に執筆された詩集。詩集と言っても詩が物語として繋がっているタイプのもの。僕と彼女と彼女の気になる奈津川君とウサギと呼ばれる女の子の話。「好き好き大好き超愛してる」に近い文体と恋愛メインの世界。物語を書き始めた当初は、割と正統派な文体だったようで、現在の癖ある文体とのギャップに驚く。読んでいて面白いかと言われると答えに困るが、舞城王太郎ファンはデビュー前の作品を知れる貴重な機会になる。ここから、デビュー作「煙か土か食い物」に繋がるとは到底思えない。
2022/10/02
とら
舞城王太郎の詩集。この頃からこういう答えのないようなテーマを書いていたんだなあという感想。それはそうと、詩の読み方は未だに分からない。それは学校の教科書に載っているものからして面白いものでは勿論ないし、何かを感じ取ることが出来ればそれでオッケーなのだろうと。文章が好きなので一気にストレスなく読めたところは◎
2022/09/29
たいちーらぶ
ずっと気になっていた作家さんだったが作品を読む機会がなく、今回、詩集の新刊が出るのを知って予約購入した。新刊といっても内容は26年前に執筆されたもの。なるほど、舞城節とはこういうことか。詩集といえど、ぐいぐい読ませる勢いのある文章は中毒性がある。これは面白い!愛と死について真っ直ぐな言葉で書かれていて、読んでいて視界がスッキリする感じ。小説が読んでみたいと早速『煙か土か食い物』を入手した。
2022/09/29
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