本の幽霊
本の幽霊 / 感想・レビュー
旅するランナー
書籍奇譚集。本にまつわる不思議で素敵な話。村上春樹を少し繊細にしたような文体とリズム、僕は好きです。一冊の本のなかにはすでに無限があります。読書家は、この無限を堪能できるでしょう。読書会には、うってつけの一冊ですね。【護国寺読書会課題本】
2022/12/13
ムッネニーク
2023年1冊目『本の幽霊』(西崎憲 著、2022年9月、ナナロク社) 全6篇からなる短編集。本や歌、グラフィックデザインなど、すべて「表現」に関する物語で構成されており、連作集のような趣きがある。 著者の日記を盗み見ているかのようなささやかで軽味のある文章で物語は綴られており、爽やかさはあるのだがどこか物足りなさも感じてしまう。 「ぼくは三田さんが横になって過ごした十年のかわりにとても貴重ななにかを手にしてもらいたいといつも願っている」
2023/01/05
ねこ
短い一篇の電子書籍に5篇を加え、紙で生まれ直した本書。造本テーマは「本に擬態した本」とのこと。 新書サイズで厚さは100ページちょっとで薄くハードカバーでスピン付。不思議とこの本は読む時、背筋が伸び、右手に本を乗せ親指で本の下から開いているページを押さえ左手でページをめくるという今までに読んだことが無い姿勢読みました。サイズ、紙質、重さ、デザイン何もかもが完璧です。今の私には「縦むすびのほどきかた」が刺さりました。東京に住んでるぼくが京都に読書会に行くお話です。再読すればきっと他のお話が刺さると思います。
2023/10/17
☆よいこ
新書サイズで思ったよりコンパクト。装丁がものすごく凝っていて中表紙も見返しもオシャレ▽本がでてくる短編が6つ[本の幽霊]古書店の通販で購入したはずの本がない[あかるい冬の窓]スタバ好き紡木(つむき)くん[ふゆのほん]参加型読書1。停まったエスカレーター[砂嘴(さし)の図書館]蔵書は15冊。手の中の光り[縦むすびのほどきかた]鉄と羊毛読書会。京都街歩き[三田さん]歌を教えるKの生徒。内側から湧いてきた世界▽作中作が多く回りくどい文章で眠気を誘う。
2023/06/19
りゅう☆
装丁が古本のようで趣がある。さっきまでそこにあったのにいつの間にかなくなっていた本は幽霊?10人が役を朗読しながら街を歩く読書会って楽しそう。砂嘴にあったはずの図書館はなくなってたけど貸出本は手元にある不思議さ。京都での読書会の時間までぶらついた街並みが魅力的で。病気で10年間自宅で寝たきりの三田さんが外に出た時に感じさせてくれた爽やかさが印象的。ここで終わり?みたいな短編集。不思議さ、曖昧さ、平坦さ、繊細さ。ただ時が流れるように自然に身を任せた感じ。朗読で読むには心地よいかも。【はじめましての作家さん】
2023/04/29
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