フィッツジェラルド/ヘミングウェイ往復書簡集
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フィッツジェラルド/ヘミングウェイ往復書簡集 / 感想・レビュー
ケイ
1925年にヘミングウェイとフィッツジェラルドはパリで始めて会う。その時、フィッツジェラルドは『ギャツビー』発表後の人気作家で、その半年前には会ったことの無い新人作家ヘミングウェイを褒め称える文章を書いていた。2人は急接近し、強い愛と友情で結ばれ、手紙のやり取りをするが、巻末にある年表をみると、酒癖が悪すぎるジェラルドをヘミングウェイが大目に見ていたのがわかる。ヘミングウェイの作品へのジェラルドの批評が興味深い。やり取りの頃の生活は、後にフィッツジェラルド『夜はやさし』にみてとれる。何度も読み返す。
2018/12/06
コニコ@共楽
『移動祝祭日』を読んで、この二人の手紙を読むと、華々しいフィッツジェラルドがやがてヘミングウェイの名声と逆転していく様子が伺える。そんな中でもちょっとひねくれた二人の友情は続いている。フィッツジェラルドがヘミングウェイの作品をひじょうに詳細に読み込んで、無駄なところを削るように何度も書き記している所に、彼の小説に対するセンスを感じる。二人の文体は真逆と言ってもいいと思うが、お互いに文学に対しては切磋琢磨していることを感じる。フィッツジェラルド、そして編集者パーキンズあっての文豪ヘミングウェイだったと思う。
2022/04/30
LcK0812
雑談、人物評、書評、文学的談話。そして愛人への手紙にも思えるような熱い心情の吐露。 さすがに文豪だけあり、ジョーク一つにもウィットが富んでいる。当時の文壇についてや、文学的な価値はもちろん、交流を通して移り変わる彼らの立場を読むだけでもたいへん貴重かつ素晴らしい本だった。 最期に一部だけ引用。 「こんなふうに言われてイヤじゃなければ、君こそなんたってぼくのいちばんの友だちだ。それに単なる――ちくしょう―こんなこと書けないよ、だけどこのことについては、心底そう思っているんだ」 アーネスト 1927/3/31
2021/01/06
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