世界一しあわせなタバコの木。
世界一しあわせなタバコの木。 / 感想・レビュー
Hideto-S@仮想書店 月舟書房
上質なタバコを作るには、花を落として丈を短く剪定しなくちゃいけない。でも、世界に一本くらい思うままに伸びたタバコの木があってもいいじゃないか……。そんな考えで伸び伸びと成長した木は、日の光を浴びて薄桃色の花を風に揺らしている。祖先が暮らした場所をみるため、ヒマラヤ山麓の小さな集落を訪れた男の不思議な物語。夢と現実の境界線があいまいで、時間が止まったような素朴な世界で、遠い昔に一つの血を分け合っていたかも知れない人々との時を過ごす。素朴な挿絵が物語のイメージとよく合っている。
2015/07/09
湘子
イラストが素敵。何千年も昔、世界は国境などなくみな一つだった。だから国や人種は違えど元は同じ。ヒマラヤの麓にある村に一人の日本の青年が訪れ、素朴で優しい人々のあたたかさに触れながら大切なことを知る。ゆったりとした時間に楽しみたい大人の童話。
2015/06/25
ヒラP@ehon.gohon
インパクトのあるタイトルから、文章の流れから、異国を流れ者のように旅する主人公の不思議な出会いがつづられた、童話もしくは旅行記のようなお話です。 タバコの木を知らない私は、自由にのびているタバコの木が、どのようなものなのかも知らないのですが、開放感をもった木ならばしあわせなのでしょう。 軽い気持ちで歩いた行った目的地まで2日かかったとか、そこで出会った人とのやりとりとか、ヒマラヤを舞台にして、大陸的なお話です。 作者の思いを傍観的に眺める挿絵が心地よかったりしました。
2022/07/29
ステビア
小さな本だけどグッと来る。絵が素朴な味があっていい。
2014/05/08
なつ
図書館で取り寄せ予約をした9冊の本の内「あ、コレすぐに読めそう」と図書館の椅子にて読了&返却。こんなのって初めて。そして挿絵を見ていて涙が出てきたのも初めて。タイトルと本の内容の関連性は低いけれど、でもこのタイトルはとても好き。池澤夏樹さん特有の淡々とした感じ、サラリ感、もやっぱり好き。いちばん印象に残ったのは『1日1日が楽しくて、夜はすっかり満足した気持ちで寝床に入る。明日の心配は何もない。これが人が生きるということかと彼は思った。』そして、『ダンネバール』、どこの国でも大事で素敵なことば。ありがとう。
2015/08/02
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