新潮文庫「白い巨塔 全5巻セット」
新潮文庫「白い巨塔 全5巻セット」 / 感想・レビュー
遥かなる想い
田宮二郎・唐沢寿明主演によって、2回もドラマ化された 山崎豊子の代表作。モデルとなった大学の医学部は どこか等、物語以外の反響も大きかった記憶が強い。 財前五郎と里見脩二との対比、教授による病院内 巡回など、その後の医療ドラマの先駆けとなり、 よくわからなかった大学病院内の暗闘が、伝わってくる。 1960年代の作品であるが、今に繋がる作品である。
2014/07/19
fseigojp
ドラマ原作 田宮二郎の財前、山本学の里見、いやあ関西弁がドロドロして面白かった 特に財前の義父役の曾我廼家明蝶と浪速医師会長役の金子信雄の怪演がたまらない
2015/09/24
at-sushi@ナートゥをご存知か?
本作によって大学病院の代名詞となった感すらある「白い巨塔」を舞台に、医局内の政治闘争と医療ミスを巡る法廷闘争を描く社会派小説の金字塔。 強烈な上昇志向ゆえ道を踏み外す財前はピカレスク小説のように魅力的で、自らが癌に犯され悔恨する姿はダースベイダーを彷彿とさせる。 昭和40年代の作品にも関わらず、すんなり現代劇として成立してしまう普遍性の高さが凄い。何度も映像化されているが、ドラマ放映中に自殺した田宮二郎のシンクロ率が凄すぎて、もう誰が演じても彼を超えるのは無理ゲーだわ。
みん
かなり前に読んでいたのですが、ふと思い立ち、再読です。何年も前の作品ですが、かなり緻密に調べて書いてあるのがとてもよくわかります。医学の発展のためになくてはならない大学病院だと思いますが、外来やお見舞いだけでは見えてこない立場や地位、背景まで考えるとやはり怖い世界ですね。
2014/05/13
fogman
あとがきにも取材の大変さが書かれていたが、いやぁ凄い、みっちり詰まっている。手術の描写もそうだが、なにより興奮したのは医療裁判篇。専門用語が飛び交いまくっているので、訳がわからない部分もあるが、財前の果てなき野心、里見の医療人としての(腹立たしいほどの)清純さ、その二人を囲む生々しく描かれた人物たちとともに読者は引っぱられていく。やはり財前に感情移入をしてしまうので、裁判の結末や財前自身の終焉には悔しさや悲しみが覆ったが、最後、財前が一番信頼できる男と愛している女を悟れたことによって落着できましたね。
2012/07/18
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