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無気力製造工場

無気力製造工場

無気力製造工場

作家
鶴見済
出版社
太田出版
発売日
1994-12-01
ISBN
9784872331929
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無気力製造工場 / 感想・レビュー

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踊る猫

露悪的な筆致が面白く、また痛々しくもある。結局のところこの著者は感受性の豊かな哲学少年/文学青年であって、記憶によれば『完全自殺マニュアル』でもそうだったと思うのだけれど無機的/機械的に死や自殺を描こうとする筆致の裏に、確かな人生の儚さや世の不条理、バカバカしさやくだらなさへの愛惜と感傷がにじみ出ている。そこがこの著者の美徳だと思う。『完全自殺マニュアル』は確かに不謹慎な本だがならばあとにでた類著はどうなる? 今では容易に読めない本だが、この著者は「ひとりぼっち」でなにかと戦っていた。その記録がここにある

2021/02/10

臓物ちゃん

『完全自殺マニュアル』で岡崎京子とともに90年代前半の話題を掻っ攫った著者による、90年代前半のサブカル界隈がわかるエッセイ集。平成ももうすぐ終わるってんで読んだけど、「リア充に俺の本を箱ごと送ってやろーっと」にはワロタ。こんだけいろいろとあったに、まだ「あの」95年になってないのが90年代のヤバさ。オススメ。

2017/12/17

金北山の麓に生まれ育って

【根性無の遠吠え】踊る猫さん「露悪的な筆致が面白く、また痛々しくもある」なるほど。ガチャガチャ屁理屈こねて自分の不満不安を外部のせいにする根性無は昭和ならガツンと純粋な暴力で黙らされた、宮台もそうだがこの人も自己嫌悪の裏返しの「批判のための批判」痛々しい。生きることは難しく辛い矛盾に溢れているからこそギリギリの責任取って発言せねばと覚悟した知識人や表現者をリスペクトする昭和のジジイからすると、覚悟が足り無い鶴見さん。こういう勿体ぶり深刻ぶった言い回し態度がこの年代に嫌われるのだが素直に言わせてもらいます。

2021/06/27

sabato

再読。第3章の「死」は、文学少年少女は必読の章であるw三島由紀夫の最後の様子をこんな視点で書いてくれているのはこの本だけだとおもうwあの最後の演説中の機動隊ヤジwwほんまかいなっ!と突っ込みたくなったが、いや、ほんまやろう。決死の演説中に「110番!!」って、そら死にたくなるわ。。筆者の94年の本。もう何度目かの再読。こんな本、最近ほんとにないね。あるのかな?でも、もうこの一冊あればいいや。

2011/04/27

milk_chan

三島由紀夫の切腹を"失敗"と言い放つのが面白い。 「こんなに物凄いヤジはめったにあるものではない。……「わかるか、この理屈が」と言えば「わかんない、わかんない、「一緒に起つヤツはいないのか」と言えば「そんなのいるもんか」である。……こんなにヤジられたら、誰でも生きているのがイヤになってくるだろう。……自衛隊の人たちも、もうちょっとくらいは聞いてあげてもよかったんじゃないだろうか。」(164頁)

2013/01/03

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