坂口安吾と中上健次 (批評空間叢書 9)
坂口安吾と中上健次 (批評空間叢書 9) / 感想・レビュー
ヤマニシ
「中上はフォークナーを読んで、ただちにそれを紀州と結びつけたのではない。彼はむしろ蟻二郎の『フォークナーの小説群』の影響を受けたのだ、と私は確信している。蟻二郎は、フォークナーを理解するために柳田・折口という日本の民俗学を導入した。そのことが、中上にとって、「南部」と紀州をつなぐきっかけを与えたといってよい。」(p232「フォークナー・中上健次・大橋健三郎」)
2023/05/27
再読。
2017/08/07
amanon
内容はともかくとして、どうして中上と安吾なのか?というのがよく分からない。ただ、安吾に対する興味はわいたけれど。無頼派の作家というイメージしかなかった安吾には実は色々な面があるということに気づかされた。それから、中上と柄谷と言えば、殆ど二人一組みたいなイメージを持っていたのだが、実は結構距離があったり、中上が柄谷のことを悪く言うといった場面もあったという話が面白かった。そういう経緯がありながらも、柄谷が常に中上のことを思いやっていたということが如実に伝わってくる。改めて中上の早世が悔やまれる。
2012/12/08
シロツメ
自分が文章のままに受け取っていた部分について、著者がもっと踏み込んで論じているのを読んでると作品は読めても自分自身に前提となる知識や思考が足りないと違った世界が見えるということを感じた。中上健次の作品は未読だが、この本の第二~三部を読んで機会があれば読もうと思えた。
2017/08/29
むじな
読書の師匠である友人からの課題図書。『言葉と悲劇』と併せて奨められなんとか読了。まだまだ、井の中のむじな、大海を知らず。
2014/02/09
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