方舟
方舟 / 感想・レビュー
三柴ゆよし
しりあがり寿は、まったく救いの無い「終末」を描ける稀有な存在だ。
2008/11/10
モヒート
『この期に及んで希望だと!?』降り続ける雨に飲み込まれていく世界の話。こんな時くらい家族一緒にいられないのか!と憤るお父さんと、こんな時だからこそ好きな人のところに行くんだ!と出ていく娘。なんつーか、残酷なほどの価値観の違いがリアル。「今年は異常気象で~」くらいの余裕噛ましてられるころの、バラエティーやワイドショーの描写に毒が効いてていい。
2015/05/29
向う岸
1999年から2000年にかけて連載されたもの。いずれ止むだろうと思われていた雨が、延々と降り続く。それも土砂降りではなく、小雨が降り続くのだ。雨は地上を徐々に水没させ、人々は行き場を失っていく。普通に生活して幸せを手に入れるはずだったのに、全ては理不尽に奪われてしまった。なんでも現状に結びつけてはいけないが、どうしても考えちゃうよね。
2012/07/22
カトキチ
ある日全国に大雨が降る。最初は雨が止まないねぇとのんきに過ごしていた人達も、あまりに雨が降り止まないので、次第に焦り始める。雨は勢いを増す事もなく、静かに静かに降り続き、やがて、東京を飲み込んで行く。人間ドラマも無ければ、物語に起伏も無い。ひたすら雨が降り続け、そして世界が終わって行く状況を淡々と描き続ける。 『方船』は静かに静かに雨が降る。そして、ゆっくりゆっくり人々が狂って行き、ゆっくりゆっくり死んで行く。『方舟』にはそれしかない。圧倒的な終末感。C・マッカーシーの『ザ・ロード』が好きな人におすすめ
2012/06/26
いと
☆☆☆半
2020/04/09
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