人間は瞬間瞬間に、いのちを捨てるために生きている。
人間は瞬間瞬間に、いのちを捨てるために生きている。 / 感想・レビュー
もちもちかめ
昔からちゃんとした人はちゃんとしてたのだ。なのだ。しかしながら昭和の岡本太郎バッシング何だったんだろ。子どもながらにキチガイだと思ってたし、馬鹿の代名詞だったよ。ゲージツハバクハツダー!なんて、小学生でもギャグだと思ってたよ。本当に雰囲気って怖いわ。中学生の頃読んで大好きになった聖女(私のなかで)岡本かの子の息子と聞いて驚愕したのを思い出す。まあでも、さすがはかの子の息子。やはり素晴らしい。前半のお母さん自慢、羨ましくて仕方ないし格好いい。かの子さん、嫌なことがあった日は家で赤ちゃんみたいに泣いてたらし。
2023/05/28
roughfractus02
父と母の関係を生命のぶつかり合いと捉えた息子は、戦前フランスで人類学を学び、多数の著名人と知り合い、芸術家となり、恋愛して女性を生命と捉え、母の死に目に会えず、帰国して従軍し、戦後帰国して父の死顔を素描する経験を経ている。著者はその特異な父母との記憶に向き合い、意識と無意識が向き合う思春期の瞬間瞬間の苦悩を、表現を通して解釈し直しながら前進するようにも見える。が、彼の前に意識が仮想した死を終点とした「道」などない。生命自身になろうとする著者にとって、進むことは「いのちを捨てる」瞬間瞬間の行為になっている。
2023/03/25
tekesuta
パリ時代の恋愛話はいかにも芸術家のような率直さに溢れている。とにかく恋愛話というとつまらん自慢話にしか聞こえないことが多いけれども、岡本太郎は全然そんな風に見えなくて、人生の一つの出来事としてそれを語るし、また本来はそうあるべきものなのだろう。普通の人はきっと自意識過剰なんだな。
2012/12/06
taiyou gyousi
両親についての話がとても興味深い。母かの子の激しさ、それを包み込む父一平。二人の結婚生活は成功だったのか失敗だったのか。どちらでもあるように思います。でも、お互いになくてはならない存在だったのでしょう。お二人の子どもである岡本太郎氏も、やはり激しさをお持ちですね。
2019/02/24
mkosa
岡本太郎のエッセイ本というのかな。色んな思い出やその時々の考えが平たい言葉で書いてある。特に両親の話について、とても興味深く読み、知ることができた。
2017/08/12
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