タマゴマジック
タマゴマジック / 感想・レビュー
風眠
別々に録音したトラックをひとつにまとめて楽曲として整えるミキシング作業のあと、CD全体の曲間や音質、音量などを調整しマスタリングをする。ざっくり言うとCDなどのデータ音楽はこんな風に作られている。この本も、そんな風にして作ったのかなと感じた。別々のものをくっつけているのに、違和感なく成立している。「最初からこの形ですよ」と言われたら「そうなんだ」と納得してしまうくらいに。「意思を持つ街」という考え方は、後に『EPITAPH東京』という作品に繋がったのだなと思うと、何だか恩田陸の思考を遡って見たような感覚。
2016/07/25
ダイ@2019.11.2~一時休止
短編集?。関根家の新旧作と連作のショートショート+エッセイ。関根家の話は3.11の震災に絡めた話なんでしょうけど読んでいる時に熊本の震災・・・時事ネタがジャストミート?。この本の感想ではありませんが早く復興できますように。
2016/04/17
いつでも母さん
仙台出身の恩田さん。エッセイと短編小説を組んだ作品。正直私にはいま一つだったが(辛口御免)想いは分かるような気がした。作品を通して「まだ見えないーもう五年目になるというのに。でも、きっとどこかにーどこかに突破口があるはずなんだ」と言わせる言葉が痛い。自分の事でなければ忘れ去ることが早い日本人の私の心に棘のように刺さった。九州熊本の事も同じだ・・
2016/05/05
みかん🍊
実に恩田さんらしい1冊、都市伝説、金属の卵は空から降ってくる、やってくるのは宇宙人か、不思議なエッセイとブリキの卵の小説とをサンドした構成、東北の大都市S市仙台を舞台に恩田ワールドが繰り広げられる、何かの意思によって動かされる出来事、巨大化していく都市、ある日大多数だったものが裏返って少数だったものと生まれ変わってしまうのかも、この世界は何処へ向かっていくのだろう。まるで舞台や映画を見ているような切り替わり、普段はハッピーエンドが好みですがこの不思議な世界観好きです。
2016/05/09
藤月はな(灯れ松明の火)
『EPITAPH東京』同様、人々の願い、不安を内包し、ふと現れ出る「街」の意志をテーマにした短編集。「魔術師1996」は既読。銀の卵の件は『Q&A』の手法で「かたつむり注意報」のような現象を描いた変な話。でもアナウンサーの正月番組での発言は確かに怖い。そして「最近のTV番組ってつまらないでしょ?」という言には大いに頷くしかない。「魔術師2016」は関根多佳雄氏の名が会話でしか出なかった事にある予想が出来て寂しかった。そして喫茶店に入れなかった青年、震災後も日本は自然災害に見舞われた事を思うと遣る瀬無い。
2016/07/08
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