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団地団 ~ベランダから見渡す映画論~

団地団 ~ベランダから見渡す映画論~

団地団 ~ベランダから見渡す映画論~

作家
大山顕
佐藤 大
速水健朗
出版社
キネマ旬報社
発売日
2012-01-19
ISBN
9784873763866
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団地団 ~ベランダから見渡す映画論~ / 感想・レビュー

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かっぱ

大山顕(団地マニア・写真家)、佐藤大(ストーリーライダーズ代表・脚本家)、速水健朗(編集者・ライター)の3人からなる団地団による県談集。狭山台団地で幼少期を過ごした佐藤大さん。他の2人もそうですが、団地愛が半端ではない。熱く、熱く、語られています。ウルトラマンでゴモラが登場する回に登場する多摩川住宅は建物はもちろん、給水塔や遊具がとてもいい。現地に行ってみたくなります。息抜き的に挟まれている「マンションポエム」のコーナーがおもしろかったです。

2016/07/03

らぱん

字面でも読みでも巧いなと思った「団地団」は団地を偏愛している三人の鼎談集。映画だけでは無く、アニメーションやドラマ、マンガなどにも言及しており、各時代のまたは各国の政治や経済の事情なども語られ、創作活動の背景も俎上に載せられ論じられている。当然ながら、作品の評価のポイントが団地をどう映しこんでいるか、団地の捉え方、団地の意味などであり、団地目線での切り込み方は新しく面白かった。また、学識と情報に裏打ちされたように話されると妙な説得力があり、なるほどそうか団地かと納得してしまった。面白かった。↓

2019/06/14

ころこ

「団地」ではそうでもないんですが、不思議と「団地団」という表意文字群が団地にみえます。高度成長の象徴である規格化された群れは資本主義的な大量生産品のようであって、人間関係が固定化され、無個性な住宅での共通化された生活のあり方は共産主義のようでもあります。現在では、多くは都市から遠く、設備が古く狭い。貧困の象徴のような鬱屈した空間として残存している。そんな現代との折り合いの悪さ、故郷喪失者の故郷のような居心地の悪さが何かを語らせます。

2019/05/29

浅香山三郎

帯に「類書なき、超脱線系、団地エンタテインメント大・鼎・談」とある。大山さんの『団地の見究』や東浩紀さんとの『ショッピングモールから考える』が面白かつたので、読んでみたらやはり面白かつた。取り上げられてゐるアニメや映画をほぼ見ていない私が読んでも面白いのだから、見てる人が読めば何倍も面白いに違ひない。若林さんの言ひ方を借りれば、「団地への視線」をメディアで読むことを実践してゐる。『団地妻』のオリジナルと2010年版による表象のされ方の違ひ、「マンションポエム」、『白と黒』のモデル団地の話と、示唆に富む。

2017/09/30

みのくま

ぼくは団地で人生の大半を過ごした。団地の友だちと何棟も駆けずり回って遊んだし、団地の祭りにも参加してた。違う区画に入るとそれは冒険になった。でも、やっぱり部屋は狭いし、走り回ると下の階の人に迷惑だからやめろと怒られる。母親たちの井戸端会議で自分の素行を話し合われているのを聞いた時は、すぐにでも逃げ出したかった。閉鎖的で窮屈で、ぼくはもう団地に戻る事はないだろう。でも本書を読んで、団地の奥深さを知る事ができた。とても人工的に合理的に作られている団地だけど、ちゃんと観察するとそこに「自然」が生成されていたのだ

2019/06/09

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