古本屋めぐりが楽しくなる―新・文學入門
古本屋めぐりが楽しくなる―新・文學入門 / 感想・レビュー
さらば火野正平・寺
古本好きには有名なこの二人、高校の同級生だそうだ。運命の親友である。二人の対談で綴る古本的文学入門。これは勉強になり読書欲探書欲が刺激された。古本が好きでない人も、図書館通いの良い刺激になるだろうと思う。個人的には随筆や詩について教わる所が大だった。詩なんてろくに読んだ事がない私に啓蒙して頂いた。随筆の部分を読むと洲之内徹を読んでみたくなる。『きまぐれ美術館』は福田和也も褒めていたが、どれほど圧倒されるのだろう?。楽しみである。知らない文筆家は山ほど居て、私達は名著を失いながら読書している。お薦め。
2018/10/20
阿部義彦
『均一小僧』岡崎武志さんと『古本ソムリエ』山本善行さんとの共著です。とは言っても殆ど対談形式で堅苦しくなく、ユーモアたっぷりに、本について語り倒してます。小生も古本の世界に齢60過ぎから踏み入れて、こういった古本周りの戯言を読んでる時が一番リラックスして心が休まる感じです。今回の目玉は文學漫談の『絶版文庫による文學入門』につきますね!今は亡きサンリオ文庫や旺文社、福武文庫は言うに及ばず。昔の角川文庫(角川源義)は本当に海外から国内まで良い本を出てたのに、今はその面影も無し。ちくま、河出、中公贔屓の儂も同意
2024/03/09
チェアー
こんなクリスマスの日に古本の本かい、と思わないでもなかったが、とにかく面白いのだ。各社の文庫の状況にはまったく疎かったが、この本を読んでさっそく近くの書店に行ったら、装幀は昔とまったく違うし、なんだかよくわからない文庫もたくさんある。そしてなんといっても中公文庫がほとんどない!いい本がたくさんあったのになあ。著者2人の本に関する博覧強記ぶりはすごい。集めるエネルギーも、内容についての知識も。古書店の100円均一のコーナーをのぞくのが楽しみになりました。あ、自分なりの文学全集を作ってみたくもなる。
2016/12/25
三柴ゆよし
古本からはじめる文學入門。というよりは、斯界にその名をはせるふたりによる古本談義。妄想爆裂企画「気まぐれ日本文學全集」の錚々たる(むしろマニアックすぎる?)ラインナップからは、ふたりの書物に対する無尽蔵の愛が伝わってくる。それにしても、世の中にはまだまだ僕の知らない作家がたくさんいるのだなあ。上林暁、野呂邦暢など、気になる作家が増えたのはいいけど、ほとんど絶版じゃないかッ! 本書の趣旨は重々承知していても、なにか釈然としないものがある。神保町に行こう。
2009/08/04
私的古本レヴュウ
今日、図書館に古本を探しに行ったり、またはバスの中で、午後は自宅でこの本を再び読みきった。前半の絶版文庫リストの数々には驚くばかり。後半の随筆では「随筆は脱力」というフレーズが頭に残った。詩の章では僕の詩の原体験である三好達治が出てこなかった。古本屋が好む詩人ではないみたいだ。まあこの一冊持って古本屋に出かければ、古本屋巡りが楽しくなることは間違いないだろう。
2019/05/04
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