うたかたの国 ─日本は歌でできている (Seigow Remix)
うたかたの国 ─日本は歌でできている (Seigow Remix) / 感想・レビュー
Tenouji
松岡正剛氏の歌について書かれた言葉を再編集した、正に編集工学の成果本。和歌については、知識が乏しく、なかなかどうして読むのに苦労する。が、内容は和歌にとどまらない、声を出す歌など日本文化そのもの。最近読んだ『野生の声音』や『江之浦奇譚』と、強くつながる内容で、このような文化を持つ民が、SNSに浸るとどうなるのか、とあらためて考えてしまった。日本を見直すのに、思想的なガイドとなる書。再読しよう。
2021/05/29
冬薔薇
知の巨人の歌語り。次々続く言葉の知識の宝庫。最後まで面白く読めた。「春風の花を散らすと見る夢は さめても胸のさわぐなりけり」。
2023/05/14
きょ
詩歌にまつわる松岡正剛の考え(日本は歌でできている)は、興味を引くと共に、如何にして日本語が成り立っているのか、その思考法に感心した。古事記は稗田阿礼の口移しの習いから太安万侶による文字起こしで音韻で漢字を使う。そして日本独自の仮名を発明するが、音訓読みの意味持たない漢字仮名で、日本書紀、万葉集、和歌等々に使われた。音が聞こえてこない文字は無力と言い切る。日本人は歌と共に暮らし、生活のよりどころとした心のよりどころが「うたかた」であると。日本の詩歌の花鳥風月、雪月花はマルチメディア・システムだ合点する。
2024/07/01
岡本 正行
いい本です。この本の茶者は、きっと本、もっといえば日本文学がこころから好きな人だと思います。自分の深淵を論じ立てるわけではない。あれやこれや言うわけでもない。淡々と、文学はどうなのかを語っている。また読み直したい。いろいろな日本文学を、自己流で語っている。
2021/03/27
せかいのはじめ
「歌」「歌謡」を軸に少しずつ現代につながっていく流れが心地よい。さらさらと読めるほどの知識を持っていないので、調べながら読んでいくとあっという間に時間がたってしまう。実はこの本の風情をTwitterにのせて、発信したいのだが、相当時間がかかりそう。でも、それも楽しみ。
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