青春の屈折〈下巻〉 (全集 現代文学の発見 第15巻)
青春の屈折〈下巻〉 (全集 現代文学の発見 第15巻) / 感想・レビュー
ケイ
「上巻」より屈折感が凄まじい。セリーヌの「なし崩しの死」を想った。井上光晴「ガダルカナル戦詩集」戦争に行かずにすむように自らの胸を金槌でうつ男、反戦運動と戦争に行く男。久坂葉子「ドミノのお告げ」原題の堕ちて行くという題の方がぴったりだ。この家庭、主人公は崩壊するしかないと思われた。作者が20歳で突然自殺する事を暗示しているよう。石原慎太郎「処刑の部屋」若者の持つ有り余る力、残忍さ、不器用な愛とともに生きることへの激しい欲求を感じる。寺山修司「田園に死す」最初の引用の(わが一家族の歴史)が恐ろしくて強烈。
2014/04/30
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