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芸術的抵抗と挫折 (こぶし文庫)

芸術的抵抗と挫折 (こぶし文庫)

芸術的抵抗と挫折 (こぶし文庫)

作家
吉本隆明
松本 昌次
出版社
こぶし書房
発売日
2012-02-15
ISBN
9784875592600
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芸術的抵抗と挫折 (こぶし文庫) / 感想・レビュー

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オオタコウイチロウ

「転向論」のみ。吉本の文体は、告発的で、なるほど68年世代の檄文だ。日本の知識人は、常に「理論」の精緻さを求め、封建遺制と過剰近代ががっぷり四つになった「現実」との対決を避けた結果、「大衆」から孤立し、潜在的顕在的「転向」へと向かう。ただ、その封建制を含めた現状を、「優勢遺伝」と形容するのは引っかかった。檄文の切れ味は、「大衆」という飛び道具があってこそのように思うのである。その「大衆」の規定自体が「都会」的だ。掛け値なしの大衆とは、本来、表情が「無く」、「口下手」なはずだからである。確信犯か。

2020/12/29

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