新・ゴーマニズム宣言スペシャル脱正義論
新・ゴーマニズム宣言スペシャル脱正義論 / 感想・レビュー
Y2K☮
国内初のエイズ患者は血友病の人だったという事実はあまり知られていない。感染原因はウイルスの混入した非加熱製剤。危険性が海外で知れ渡っていたのに、日本では2年以上も隠された。結果血友病患者の4割がHIVに罹った。デマではなく事実。「3000人に1人ぐらいの危険性」という安全宣言こそデマだった。もうひとつのテーマは「市民運動論」。特に学生が関わることへの警鐘。悪を一方的に断罪する己の正義に酔い、喝采を浴びて承認欲求を満たしても国は変わらない。猛勉強して組織に入り、責任者になって内側から改革する覚悟が問われる。
2021/07/21
KASAO
薬害エイズについて知るつもりが、思わぬことを教えられる。著者が協力した薬害エイズ問題の追及の舞台裏と、市民運動の危うさを伝えた一冊。被害者に同情した若者が主導となって声をあげ、それに動かされた一般市民が集まり、これは間違っていると国に迫る「個の連帯」によった、組織やイデオロギーに染まらない新しい運動の可能性を求めた著者。しかし目的を果たして辿り着いたのは「個の連帯」ではなく、組織に染まり、役目を終えた「HIV訴訟を支える会」の運動から日常に戻らず、新たな運動に身を投じようとする若者と彼らを利用しようとする
2017/01/23
白義
これは小林よしのりの、差別論と並ぶ最高傑作だろう。それは小林よしのりに全面賛成というんじゃなく、むしろ小林よしのりが間違っていたとしてもその間違い方すら貴重な教訓という意味での傑作だ。大衆運動という現象のかなり重要なところが的を外さず描かれている。再現のないやりがい、正義に酔い、それが背後の団体に利用されて当初の無垢さを失いどんどん先鋭的になる、硬直化する。それに、小林よしのりはプロパガンダとしてと批判者として、両方を体験し、そのどちらの資料もここに残っている。ホッファー辺りと一緒に読むといい
2011/08/29
マープル
そうそう、ラップでデモなんて、20年以上も前のこの時からやっていたのだ。SEALsなんてもてはやした人は反省せい。とはいえ、この薬害エイズ訴訟問題も、「組織」に絡め取られ、川田龍平はその後政治家になった。奥田愛基クンもそのうち政治家になっちゃうんだろうか?いま、学歴ロンダリング中だよな、彼。活動家としての才能はあるみたいだから、純粋な活動家で行くのかも。閑話休題。本書は「組織」そして「イデオロギー」からできるだけ自由に、一生活者の視点から社会改革を目指すのはかくも難しいというドキュメンタリーである。
2017/05/07
はすのこ
薬害エイズとは何とも懐かしい。
2016/08/16
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