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萌の朱雀

萌の朱雀

萌の朱雀

作家
河瀬直美
出版社
幻冬舎
発売日
1997-10-01
ISBN
9784877281885
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萌の朱雀 / 感想・レビュー

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Shoji

感動しました。とても良い物語に出会いました。過疎が進む田舎に暮らす一家の日々の生活のお話です。鉄道建設が進む田舎の村に住む一家は、大自然に包まれて幸福な日々を送っていました。しかし時代の流れは容赦なく、村は過疎が進んで行きます。鉄道建設も中止となりました。長い暮らしの中では、いい時もあれば悪い時もあります。一家にも喪失が始まります。人間とは、なんてはかなく脆いのか。「家族」について考えさせられる一冊でした。

2020/05/09

ジュンコ

家族のあり方と、静かな崩壊。飾り立てのない文章が、心の機微と美しい風景を際立たせている。どこを切り取っても印象深い。読んでいたのが電車の中でなければ、声をあげて泣いていたと思う。

2016/05/13

しーふぉ

いつだったか、本を好きな人に勧められ読んだことがあったこの本を、久しぶりに再読してみた。映画の小説化と言うと、表面をなぞるだけの物が多い中、この本は小説単体として成立している。日本語の持つ美しさや、日本の田舎の原風景の美しさを感じられる一冊です。

2014/06/01

風眠

再読。大人になって読み返すと、あの頃よりももっと味わえるというか、何てことのない日々の営みの中にある想いと現実が分かるようになったというか。削ぎ落として、削ぎ落として、もうこれ以上削ぎ落とすものは無いというくらい、人物の心情を描写する言葉は少ない。あるのは、現象と季節の移ろいと気配と空気。そのどれも人物の心情を表してはいないのに、不思議と人の哀しみや切なさ、喜びや希望を感じさせる。映画でも極端に台詞を無くしているとあとがきにあったが、言葉で表現しきれないものを、時に映像は雄弁に語ることも然りであると思う。

2014/10/18

あつひめ

この本を手に取ったのは表紙の色に引かれたから。読みはじめて平雄の四季折々を感じることができた。自然の中で生きる…言葉少なに。でも人を思いやる気持ちはとても深い。不器用な生き方…自然の懐に包まれて。映画も見てみたくなった。

2009/08/21

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