水の翼
水の翼 / 感想・レビュー
那由多
芸術家の夫と、彼を愛し恍惚を知った若い妻。ある夏の昼下がり、二人の前に美しい青年が現れる。1970年代の仙台が舞台の恋愛小説。
さんつきくん
1970年代の仙台が舞台。木口木版のカリスマ柚木と歳の差のある妻 紗江。柚木の弟子となる芸術家の卵 東北大生の東吾。四季の移ろいを瑞々しく描いていた印象。官能的なシーンもどん引きすることなく上手くまとめられてました。自分自身が作り上げた理想にたどり着けなくてもがきながら、作品を作り上げていく芸術家二人。その二人から愛し愛された紗江。恋患いの描写も興味深く読めました。一つの芸術品が完成して、もう美が産まれる瞬間に立ち会えなくなる喪失感も印象的でした。読了後は余韻に浸る。ただひたすら。
2014/11/10
gumi131
★★★★ 歳離れた天才芸術家と結婚した若き女性。2人は仙台で暮らし、夫は作品を仕上げるため、二階のアトリエで仕事をし、妻は夫のサポートをしながら家事をこなす日々。そこに若く美しい大学生の男が現れる。彼もまた、天才的な才能を持ち、それを認められ、夫の弟子となる。そこから、その3人の運命が変わりだす。
2019/12/21
なにー
1970年代が舞台となり、学生運動が背景にある物語で多少理解出来ない所はあるが。。。物凄く入り込んで読めました。何も賞とってないのかな?勿体ない!時代背景にあわせた文体といい、なにより仙台が舞台で土地勘もわかり大好きな作品となりました。
2017/12/29
らぴす
初の小池真理子作品。抗うことのできない、運命ともよべるような出逢い。年上で芸術家の夫とその弟子となる青年。なるほどね、きゅんとなる読者も多いんだろうなぁ。ってのはよくわかった。私は途中でしんどくなったけど。でも、文体は美しい。
2016/03/11
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